一流シェフの料理に舌鼓を打ちながら、海洋保全に目を向けよう――。JR原宿駅近くの商業施設「JINGUMAE COMICHI」(東京都渋谷区神宮前1)の一角で、そんなレストラン「Sincere BLUE(シンシアブルー)」が11日にオープンする。国内の漁獲量が激減する中、水産資源の保護など持続可能な漁業で生産された「サステナブル・シーフード」を料理の中心に据えた全国的にも珍しい試みだ。【川村咲平】
店を手がけるのは、レストラン格付け本「ミシュランガイド東京」で一つ星のフレンチレストラン「シンシア」(同区)の石井真介オーナーシェフ(44)。サステナブル・シーフードは国際認証を取得している漁業者が国内には少ないため、大部分が海外産だ。食材は冷凍入荷のため、高級店では使用しづらい。そのため、既存の店舗ではなく「海を守る実践拠点」と位置づけて新店舗をオープンした。
国内の海は乱獲などで漁獲量の減少が深刻化。水産庁によると、1984年の1282万トンをピークに、昨年は416万トンにまで減少した。危機感を持った石井さんは、3年ほど前からシェフらによる海洋保全啓発の中心メンバーとして活動、次の一歩として新規出店を目指した。
同店は、新型コロナウイルスへの対応から「テーブルビュッフェ」という新形式を導入した。10種類以上の前菜がテーブルに運ばれ、好きな前菜を再注文できる。その後、メインとデザートを提供。魚を減らさない漁のやり方の国際認証を取得した漁業者の海産物を使い、「素材を生かすのがフランス料理の仕事」と石井さんが腕を振るう。
石井さんは「ビュッフェスタイルだからこそ、食品の無駄を減らすことができる好事例にしたい。店の価値を認めてもらい、水産資源保護活動を盛り上げたい」と意気込む。
ビュッフェコースは4900円(ドリンク別料金)。「食育にもつなげたい」との思いから土日祝日は小学生以下も利用でき、小学生が2000円、未就学児は無料で提供する。月曜定休。
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September 09, 2020 at 08:45AM
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一流料理で海守る 東京・原宿にレストラン、11日オープン 国際認証の漁業者から食材 - 毎日新聞 - 毎日新聞
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