羽田空港のターミナルを運営する日本空港ビルデング（9706）の2020年4-9月期（21年3月期第2四半期）連結決算は、純損益が228億7900万円の赤字（前年同期は59億4500万円の黒字）だった。新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の影響により、国際線・国内線ともに旅客数が大幅に減少し、施設利用料や店舗売上高が大きく減ったことが要因。これまで算定困難としてきた2021年3月期通期の業績見通しは、350億円の最終赤字を見込む。
—記事の概要—
・4-9月期
・セグメント別業績
・21年3月期通期予想
4-9月期
4連休初日で混雑する羽田空港＝20年9月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
4-9月期の売上高は222億9300万円（前年同期比83.5％減）、営業損益は322億6600万円の赤字（111億5600万円の黒字）、経常損益は305億600万円の赤字（107億2800万円の黒字）。旅客数の大幅な減少で施設利用料や商品・飲食売上高が落ち込んだほか、今年3月に供用を開始した国際線関連施設の減価償却費がかさんだことも損失計上の要因となった。
セグメント別業績
セグメント別の業績は、施設管理運営業は営業収益が172億4000万円（61.9％減）、営業損益が204億8600万円の赤字（74億6200万円の黒字）。旅客数の落ち込みで施設利用料が86.4％減少したほか、一部テナントへの家賃減免措置により家賃収入も11.6％減少した。駐車料、ラウンジ収入といったその他の収入も52.0％減少した。損益の面では2020年3月期に供用開始した第2ターミナル国際線施設と第3ターミナル拡張部の減価償却費が増加したことも影響した。
4月から実施している入居テナントの家賃減免措置は、旅客動向を見ながら内容を見直して継続している。
物品販売業は営業収益が49億7700万円（94.0％減）、営業損益が57億6400万円の赤字（74億3000万円の黒字）。旅客数減少に伴う店舗の臨時休業で、国際線売店が98.5％、国内線売店は83.1％それぞれ売上高が減少した。国際線売店では直営免税店の休業に加え、市中免税店「Japan Duty Free GINZA」が営業を再開したものの、売上実績は厳しい状況が続いていることが響いている。
飲食業は、営業収益が17億8600万円（84.7％減）、営業損益が23億9300万円の赤字（5億3100万円の黒字）。このうち飲食店舗の売上は85.4％減、機内食売上が95.2％減となった。利用客の減少と減便・運休が影響した。
財務面では、手元流動性確保のため長期借り入れによる50億円の資金調達を6月までに実施。既存のコミットメントライン（融資枠）90億円に加え、短期借入枠として200億円の設定を終えている。
21年3月期通期予想
これまで未定としてきた2021年3月期通期の業績予想は、純損益が350億円の赤字を見込む。売上高は2020年3月期比75.6％減の610億円、営業損益は580億円の赤字、経常損益は555億円の赤字となる見通し。
政府の観光支援事業「Go To トラベルキャンペーン」による国内線の需要回復はみられるものの、国内線と国際線ともに旅客数が今年度中に新型コロナ前の水準に回復するのは難しいと予測している。
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決算
・日本空港ビル4-6月期、最終赤字97億円 旅客数一時9割超減（20年8月11日）
・日本空港ビル、20年3月期純利益85％減 通期予想見送り（20年6月8日）
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November 09, 2020 at 08:26AM
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日本空港ビル、通期は最終赤字350億円に 4-9月期228億円損失 - Aviation Wire
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