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Thursday, December 24, 2020

コロナ禍でより強くなった勝ち組レストラン企業 - ニュース・コラム - Y!ファイナンス - Yahoo!ファイナンス

パンデミックの状況が落ち着き、ロックダウンも解除されて、少しずつ経済活動が再開し始めたところで、パンデミックが再拡大していることで、これまで何とかやってきたレストラン業界は更に非常に厳しい状況に置かれています。

しかし、このような状況の中でも、しっかりと業績を伸ばしている企業もあります。

むしろパンデミックでより強くなった企業も出てきています。

何とか生き残るというレストラン企業と、パンデミックを機に更に強くなっている企業の違いなどを見ていきたいと思います。
レストラン業界の現状
独立系の着席形式中心のレストランは、経済活動の制約が続いている中で、真っ先に制約を受けてきたこともあり、生き残れるかどうかの戦いを強いられている状況です。

これを機に業績を伸ばしている企業は、テクノロジーを導入して、テイクアウトやデリバリーなどをより容易にしてきているレストラン企業です。

その先頭を走っていると言って良いのが、チポトレ・メキシカン・グリル(NYSE:CMG)とドミノ・ピザ(NYSE:DPZ)、ジャック・イン・ザ・ボックス(NASDAQ:JACK)、そしてマクドナルド(NYSE:MCD)やスターバックス(NASDAQ:SBUX)などです。

デリバリーができるかどうかがソーシャル・ディスタンスや、会食の制限がある中で重要であることは分かっていても、それをどのようにやるかが大切になります。

自社でその能力を持つのであれば、そのためのスタッフや、仕組みを作って行く必要があります。

一方、ウーバー・イーツ、ドア・ダッシュ、グラブ・ハブなどのサードパーティー・デリバリーサービスを使うのも一つの方法です。

いずれにしても、そのデリバリーコストを誰が負担するのか、という問題があります。

デリバリーサービスは、デリバリー料金を料理の価格の二桁%要求するケースもありますし、自社でやる場合にもそれなりのコストがかかります。

そして、これは利益率を押し下げるコスト上昇につながります。

また、店舗も配達でも、殺菌・滅菌・防菌といった衛生コストも上昇しています。

そして、店舗での営業が制限されているので、最も利益率の高い酒類や飲料の売り上げが落ちています。

売上の確保のための仕組みづくりと同時に、コストを如何にして抑えるか、ということが非常に重要になってきています。

こうしたことを踏まえて、先ほど挙げた勝ち組のチポトレ・メキシカン・グリルを中心に、ドミノ・ピザについても対応状況を概観していきたいと思います。
チポトレ・メキシカン・グリル
チポトレは、カジュアル・メキシカンフード・レストランチェーンです。

2020年9月末現在、全米で2,710店舗を運営しています。

先行きの一株当たり利益を使っても80倍近いPERなので、割安株とは言えません。(記事執筆時点)

ワクチン接種が進み、コロナ禍が沈静化したとしても、人々の生活が完全に元通りになることはないだろうと言われています。

特に人々の行動が変わりそうなのが、外食の在り方なのかもしれません。

そうした状況下で、チポトレはデジタルの売上が3倍になり、着席での売上とデジタルの売上が半々くらいまで進んでいます。

チポトレの場合、ドライブ・アウェーの方法として、テイクアウト(含むピックアップ)とデリバリーがあります。

また、新しいタイプのドライブ・スルー「チポトラン(Chipotolane)」を導入しています。

新しいタイプというのは、顧客が事前にPCやスマホで注文し、支払いも済ませた上で、想定ピックアップ時間に取りに行くものです。

顧客は待ち時間を節約でき、人同士の接触も最小限で済みます。

チポトレとしては、利益率の高い注文が入りやすいことと、より細かい顧客データを収集することが出来るという二つのメリットがあります。

デリバリーは、従来対応していませんでしたが、パンデミックになってから、グラブ・ハブ、ウーバー・イーツと提携し、対応を始めています。

前述の通り、デリバリーサービスを多用することは、レストランの利益率を押し下げる要因になります。

第3四半期の業績発表後の下落は、これが要因でもありました。

そこで、同社はデリバリー・メニューについては価格を上げ、一方で、グラブ・ハブやウーバー・イーツと協議し、顧客が負担する手数料を低下させました。

顧客は配達手数料には非常にセンシティブですが、料理の若干の値上げには寛大な傾向があることが分かり、上記の取り組みは成功したとのことです。

更に、チポトレはゴースト・キッチンにも取り組み始めました。

ゴースト・キッチンというのは、ショッピング・モールの空き室などを借り、キッチンとして使うものです。

レストランと違い、そこではテイクアウト・メニューのみで、そもそもイートインのスペースを持たないものです。

コロナ禍でも、安価に気軽にレストラン事業を始められるというので、徐々に増えています。

チポトレはこのゴースト・キッチンの一号店を11月にオープンしています。

このゴースト・キッチンの形態であれば、スペースも小さくて済むので、都市部での店舗展開にも有利です。

ポスト・コロナの世界では、清潔であることに顧客はプレミアムを払うようになりますし、清潔感の無いレストランは生き残っていけない状況になりそうです。

そこにチポトレは先行投資しており、それが更に活きていくものと考えられます。

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ドミノ・ピザ
ドミノ・ピザは日本にも古くから進出しているので、親近感のある銘柄かと思います。

そもそも、ドミノ・ピザは宅配ピザの元祖のような企業なので、パンデミック時にはそれだけでもポジティブに受け取られていました。

パンデミックにより平日の売上が伸び、週末や夜遅くの売上が減ったようです。

これは、家族で食べるケースが増えた一方で、エンターテイメントが減った影響によるようです。

ドミノは、デリバリーのスピードアップを図るために、「要塞化」(囲い込み)と呼ばれる取り組みを行っています。

これは、既に店舗を持っている地域に更に店舗を増やすことで、顧客との距離を近くし、到着までの時間を短くするものです。

一歩間違えばドミノ同士による商圏の「共食い」になりかねないので注意が必要です。

更に、ドミノはオーダーを受けてからピザを焼き、運ぶまでのプロセスを見直すことで、無駄をなくし、スピードアップを図る努力もしています。

より効率的な運営が出来るようになり、コストカットにもつながっているようです。

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まとめ
ポスト・コロナの世界では、レストラン業界において、着席の食事がむしろオプションになってくるかもしれません。

デリバリー・テイクアウトへの対応を、テクノロジーを利用して、如何に効率的かつ効果的に行えるかが、レストラン業界の明暗を分けそうです。

またデリバリー・テイクアウトは、その仕組みをうまく作ることで、詳細な顧客データベースを作ることも可能です。

そうした機会を成長につなげられる企業が、どのような環境下でも勝ち続けられるレストラン企業になるのではないかと考えています。

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