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Tuesday, December 31, 2019

パリの3ツ星レストラン「ギ・サヴォア」がラーメン屋を作った!──「SUPU RAMEN」 - GQ JAPAN

「豚のブイヨン」

手を抜かずにきちんと作られたスープは肉の旨味が最大限に引き出され、複雑でパンチの効いた味わい。具材は豚の胸肉のコンフィ、豚の頭肉のソーセージ・サボデ(Sabodet)、椎茸、かぼちゃ、クレソンなど盛りだくさんだ。

3ツ星シェフのラーメン

フランスが誇る偉大な料理人、ギ・サヴォア。2002年以来、ミシュラン3ツ星を維持し、世界のベストランキング「ラ・リスト」では4年連続No.1に輝く料理界の重鎮だ。

ファブリス・イベールが手がけたコンテンポラリーな空間

その彼が、このほどラーメン専門店「SUPU RAMEN」をオープンした。セーヌ河岸沿い、ポンヌフ橋に近い絶好のロケーション。造幣局の中にあるギ・サヴォアの3ツ星店からは目と鼻の先だ。

ギ・サヴォアと30年前からタッグを組むシェフのステファン・ペロー氏。1969年ブルターニュ南部生まれ。サヴォア氏の3ツ星レストランでスーシェフを、カジュアルな支店「ブキニスト」でシェフとして経験を積んだ後に現職。

フランスを代表するシェフが、日本のソウルフードに挑戦したのはなぜか? サヴォア氏は答える。

「鶏のブイヨン」。透き通った琥珀色のブイヨンは滋味深く、優しい味わい。驚くほど柔らかな地鶏のマリネ、シャキッとしたクレソン、水菜、ポワロー葱などグリーン野菜との食感のコントラストも心地いい。自家製のサテソースを添えてピリッとしたスパイシーさを加えた。

「ラーメンが大好物なんです。海外の外食で夜は、たいていガストロノミーレストランに行きますが、ランチは決まってラーメン屋さんに足を運びます。早くておいしくて消化もよい。ブイヨンと麺と野菜の組み合わせは、ヘルシーで理想的な食事です。東京でもロンドンでもラスベガスでも、常に旨いラーメン屋を探し求めているのです」

食材は出汁も味噌もすべてフランス産にこだわった。追加のトッピングは煮卵、ローストトマト、豆腐のマリネ、フォアグラのポワレなど。

内装は現代フランス美術界を牽引するアーティストのファブリス・イベールが手掛けた。床は蛍光グリーンで、天井や壁がポップアートで彩られている。

デザートはハーフポーションで提供される。

左:ベルガモットを効かせたアールグレイのソルベ。レモンのジュレ、胡椒で風味づけしたクリームとともに。

右:濃厚なチョコレートムースと香ばしいプラリネが2層になったフォンダン・ショコラ

運ばれてきたラーメンのスープは透きとおっていて脂っぽさがなく、フランス料理のブイヨンに近い印象だ。クレソンなど、野菜が盛りだくさんで、いわゆる日本のラーメンとは違う新感覚の味わいだ。麺はパリ近郊の製粉所で特注したオーガニックの小麦粉にそば粉をすこし混ぜたものを使う。豚肉や魚介類はギ・サヴォアの3ツ星店で使う生産者から仕入れる。化学調味料は使わない。

ワインリストは短いが、精選したおいしい銘柄が手頃な値段で飲める。ボトル25ユーロから。

左からコート・デュ・ローヌ北部ポール・ジャブレ・エネ社の16年産のサン・ジョセフが40ユーロ、ブルゴーニュ地方マルシャン・グリヨ社の16年産のジュヴレ・シャンベルタンが95ユーロ、ボルドー地方デスパーニュ・ラパン社の14年産のメゾン・ブランシュ モンターニュ・サンテミリオンが35ユーロ

「僕たちはフランス料理のテクニックで“ラーメン”からインスパイアされた料理をクリエイトしています。肉や骨や野菜にスパイスやハーブを加えて煮詰め、どんなブイヨンに仕立てるか。それはギ・サヴォアの厨房で作るブイヨンと同じフィロソフィーで、できるだけ余分な油脂を取り除いて、澄みきったスープに仕上げていきます」とシェフのステファン・ペロー氏。

ラーメンボウルのサイズは直径20cm、高さ9.5cm。「洋服を汚さずに食べられる最適な大きさを特注しました」とサヴォア氏

ラーメンは「鶏のブイヨン」「ダシのブイヨン」「豚のブイヨン」「野菜の味噌ブイヨン」の4種類で13.80〜15.80ユーロ。それに日替わりで旬の食材を取り入れた1品が並ぶ。ある日はブルターニュ産オマール海老、ノルマンディー産ホタテ貝など、朝獲りの高級食材を盛り込む。

セーヌ川を挟んで斜め向かいにルーブル美術館を臨む左岸の一等地に佇む。

例えば「鶏のブイヨン」は、鶏ガラ、腿肉、手羽、もみじ(鶏足)をきっちりと処理して、キャベツ、ニンジン、カブ、ネギ、セロリ、にんにくの香味野菜とローリエ、タイムのハーブを加え10時間煮込む。一晩寝かせて、翌日さらに煮詰める。ブイヨンはよく煮込んだ鶏と香味野菜の味が心地よくしみた素朴な優しさだ。

「豚のブイヨン」はパリ近郊で牧畜されるブランド豚フランシリン(francilien)の胸肉をローストした後、香味野菜、にんにく1株を丸ごと銅鍋で10時間じっくりと煮込んだ。さまざまな味の要素が混ざり合い複雑でパンチの効いた味わい。チャーシューは脂っぽくないのにしっとりしている。ひと口味わえば、手間ひまかけて作られた料理であることが、存分に実感できる。

サイドメニューには前菜のフォアグラ(10.80ユーロ)や、デザートのフォンダン・ショコラ(4.8ユーロ)など、ギ・サヴォアのシグネチャーディッシュも並んでいる。ちなみにデザートは造幣局にある3ツ星レストランから届けられる。

セーヌ川を臨むガラス張りの通りに面したスペースでさっとかきこむのもよし。奥のこぢんまりとしたテーブル席でお酒を飲みながら甘味で締めくくるのもよし。

グラスワインは4.5ユーロから。

INFORMATION

SUPU RAMEN

住:53 quai des Grands-Augustins 75006 Paris.
TEL:01 43 25 45 94
営:11:30〜21:30

文・魚住桜子 写真・村松史郎

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December 31, 2019 at 06:00PM
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