電力大手の2019年4～12月期連結決算が31日に出そろい、10社中8社が最終増益となった。主力の火力発電の燃料価格が低下傾向にあり、電気料金に反映するまでのタイムラグから生じる差益が利益を押し上げた。
関西電力が同日発表した19年4～12月期の連結純利益は前年同期比60%増の1359億円だった。燃料価格の下落と円高で燃料費用が減った。18年夏の猛暑の反動などによる小売電力量の減少や、電気料金引き下げなどの影響を吸収した。
中部電力の純利益は2.4倍の1526億円。燃料要因が980億円の経常増益要因になった。東北電力の純利益は2.1倍となった。台風で被災した設備の復旧費用を燃料費の低減が補った。
北陸電力は石炭火力のトラブル解消や減価償却方式の変更が利益を押し上げた。未定だった20年3月期の期末配当を1株10円にすると発表した。3期ぶりの復配となる。
一方、九州電力の純利益は95%減に落ち込んだ。余った液化天然ガス（LNG）の売却損が響いた。20年3月期通期の各利益予想を引き下げた。
今後は原子力発電所の動向が業績を大きく左右しそうだ。四国電力は定期検査で停止中の伊方原子力発電所3号機を3月末に再稼働する予定だったが、1月に広島高裁が運転差し止めを決定。3号機が稼働しない分は火力で代替し、月35億円の経常減益要因になる。
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January 31, 2020 at 09:34PM
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電力8社が最終増益 燃料価格下落で、台風の影響吸収 - 日本経済新聞
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