爽やかな風に吹かれてカクテル、タパス……一度味わったらクセになる、快適さ満点のルーフトップのお楽しみ。初夏から秋までの期間限定もあるけれど、「Le Perchoir（ル・ペルショワール）」は1店を除いて、一年中の営業で都会のエピキュリアンたちを喜ばせている。パリ市内で6軒目、そして左岸初の最新ル・ペルショワールがオープンしたのは15区のポルト・ド・ヴェルサイユ。ここは複数のパビリオンで構成され、食関連やモードなどジャンルさまざまなフェアが開催される場所なのでパリっ子だけでなく、フランスの地方から、世界の各地から大勢が集まることで知られている。
これからの季節は絶対にテラス席！ photos : Jérôme Galland
“止まり木”の意味を持つル・ペルショワール。このポルト・ド・ヴェルサイユ店には、畑があるというのが大きな話題となっている。いまのところ活用されているのは1/3のスペースだが、2年後には14,000㎡の敷地すべてで作物が収穫できるというヨーロッパ最大の屋上菜園なのだ。運営するのは“都会の自然”を意味するNature Urbaine。高品質で味のよい野菜と果実をパリの屋根の上で水耕と空中の2方法で栽培する。トマト、ナス、ハーブ類、イチゴ……ル・ペルショワールはこの屋上での収穫をレストランの食事、カクテルに用いるのだ。これ、いまどのレストランでもうたい文句にあげる地産地消の中でも、最短距離の例なのではないだろうか。
ル・ペルショワールと14,000㎡の畑がパリの屋根の上に！ photo : Nature Urbaine © VALODE&PISTRE ARCHITECTESATLAV - AJN
パリ市民がレンタルで作物を育てることができるスペースも用意されている。©Nature Urbaine
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レストランは250㎡の広さがあり、さらにテラスが489㎡も。合計で400名が収容できるのだ。カクテルを味わい、フレッシュな素材の料理をシェアして……とグループでの利用が楽しいスペース。ポエティックなインテリアデザインを担当したのは若い室内建築家のファニー・ペリエである。この空間のために彼女はフランスとイタリアの職人たちとコラボレートした。樹齢25年のゴムの木を配したバーは、竹を模したイタリアの手染めタイルで覆われている。天井からぶら下がるのは、パリのステンドグラス工房ラーム・デュ・ヴィトライユが手がけたモダンなランタン。 カラフルな光が夜の店内を照らす。
ステュディオ・ペリエの室内建築家ファニー・ペリエ。photo : Jérôme Galland
籐の椅子、オリーブの樹……地中海の気分が漂うレストラン。photo : Jérôme Galland
左：竹のタイルのカウンターの上のガラスケースと壁の棚に、アーティストのファニー・シェ・ブリヤンによる本物そっくりのフェイクのパティスリーが並ぶ。右：レストランのオープンキッチンに、畑からの作物が届く。ウルトラ地産地消!! photos : Jérôme Galland
内装にはこの場所のために選ばれたアーティストたちも参加。自然をテーマにした、それぞれ異なるサヴォワールフェールを用いた作品がエントランス、テラスなどに溶け込んでいる。
流行りのルーフトップをパリで試したい！というのなら、パリの中心地ではないけれどル・ペルショワール・ポルト・ド・ヴェルサイユまで行ってみるのは悪くない。
エントランスにはアーティストによる鳥が天井に群れ、テラスには巨大な蝶々が。アーティストのセレクションを担当したのは、FIAC の仕事もするブランシュ・ドゥ・レトランジュだ。photo : Mariko Omura
2, avenue de la Porte de la Plaine
75015 Paris
（入り口：パヴィリヨン第６号館の渡り廊下）
営）バー/18時〜翌2時（月〜金） 12時〜翌2時（土） 12時〜24時（日）
レストラン/19時〜23時（水〜金） 12時〜15時（土、日）
https://leperchoir.fr
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July 14, 2020 at 07:00AM
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