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Wednesday, September 2, 2020

『私の家政夫ナギサさん』最終回で覚えた違和感と『逃げ恥』に通ずる“社会批評性”(週刊女性PRIME) - Yahoo!ニュース

ラブコメの背景にあるもの

 本作は、四ツ原フリコの漫画『家政夫のナギサさん』(NTTソルマーレ)を原作とするラブコメディ。  主人公は製薬会社のMR(医薬情報担当者)として働く相原メイ(多部未華子)。彼女の28歳の誕生日に家事代行サービス会社で働く妹の福田唯(趣里)が、会社が誇るスーパー家政夫の鴨野ナギサ(大森南朋)をメイの家に派遣したことから物語が始まる。  家事が苦手で、日々、仕事に追われているメイの部屋は散らかり放題で生活が荒れていたが、ナギサさんがケアに入ったことで部屋はきれいになりメイの生活も改善されていく。  『わたナギ』が放送されている火曜ドラマは、今、もっとも勢いがあるドラマ枠。  家事代行サービスで働く森山みくり(新垣結衣)とIT企業で働く津崎平匡(星野源)が、それぞれの都合から契約(偽装)結婚をする姿を描いた『逃げるは恥だが役に立つ』(以下『逃げ恥』)が2016年に大ヒットし、近年も『初めて恋をした日に読む話』、『恋はつづくよどこまでも』(いずれもTBS系)といった少女漫画原作のラブコメが話題となっている。  気軽に楽しめるラブコメが多いドラマ枠だがときどき、『逃げ恥』のような社会批評性の高い作品が登場するので侮れない。  『わたナギ』もコミカルな描写の奥に社会批評的な要素が込められている。何より「部屋を片づける」ことで「自分の生活を見直す」という姿が、ステイホームが叫ばれるコロナ禍の現状と、うまくマッチしていた。  筆者も、コロナ禍で家にいる機会が増えてから、仕事の合間に掃除機をかけたり、炊事洗濯をマメにするようになったのだが、メイほどではないが、仕事に追われているときほど、部屋が汚くなり、精神的にも荒れていることが、改めてよくわかるようになった。  ナギサさんは、掃除や料理はもちろんのこと悩みの相談にも乗ってくれて、その姿は、まさに「お母さん」。  そんなナギサさんを大森南朋というおじさん俳優が演じることで、掃除や料理は女の役割という既成概念を撹乱してくれることが本作の面白さだろう。ナギサさんは家事の仕事に誇りを持っており、彼の姿をみていると改めて、家事の重要さに気づかされる。

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September 02, 2020 at 12:01PM
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