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Saturday, November 28, 2020

SUPER GT最終戦富士、100号車 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組)が年間チャンピオン 最終ラップ最終コーナーの後の劇的な大逆転優勝 - Car Watch

最終ラップ、最終コーナーを立ち上がったストレートで逆転し今シーズン初優勝。年間チャンピオンに輝いた100号車 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組、BS)

 SUPER GT最終戦の決勝レースが11月29日、富士スピードウェイで開催された。コロナ禍により通常のシーズンインから大きく遅れて開幕したSUPER GTの2020シーズンも、このレースをもってグランドフィナーレとなり幕が閉じられた。13時スタートの決勝レースでは、最終ラップの最終コーナーまで37号車 KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/山下健太組、BS)がトップを維持し、そのまま優勝するのかと思われたストレート上でいきなりスローダウン。その結果僅差で2位を走っていた100号車 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組、BS)が大逆転。今シーズン初めて優勝して、年間チャンピオンも獲得した。

 GT300は6号車 ADVICS muta MC86(阪口良平/小高一斗組、BS)が優勝し、2位に入った56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/J.P.デ・オリベイラ組、YH)がチャンピオンを獲得した。

GT500クラス:序盤は23号車 MOTUL AUTECH GT-Rがトップに立つが、すぐに37号車 KeePer TOM'S GR Supraがレースを支配

 予選が終わった段階で、ランキングの上位5台に自力優勝の可能性があり、さらに上位の決勝レースでの順位次第という条件はつくがランキングの上位9台にまでチャンピオンの可能性がある混戦のGT500。そのレースは誰もが予想もしなかった混乱のレースとなった。

 スタートでは気温8℃、路面温度13℃とかつてないほどの低気温、低路面温度で行なわれたこともあり、安全なレンジまでタイヤの温度を上げるためフォーメーションラップは2周の予定で行なわれた。しかし、それでもまだタイヤは暖まらなかったようで、さらに1周フォーメーションラップが追加されて、3周で行なわれた(このためレースは1周減算となった)。

 そのスタートでは誰も予想していなかった展開が待っていた。23号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)がいきなりスタートでみせた。6位からスタートした23号車はみるみる前に差を詰めていくと、ダンロップコーナーまでに前を走っていた4台のGR Supra勢を一気にオーバーテイクして、いきなり1周目にトップに立った。2位はポールからスタートした37号車 KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/山下健太組、BS)で、その後ろに3台のGR Supra勢が続くことになる。

 そしてもう1台スタートダッシュに成功したのは予選12位と予選では沈んでしまった17号車 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット組、BS)で、みるみる順位を上げると2周目にはGR Supra勢のすぐ後ろになる5位に上がっていた。

 そして5周目にはトップを走る23号車に37号車が追いつく。ミシュランとGT-Rの組み合わせは暖まりではかなりよかったが、レースペースには37号車に分がありそうだ。7周目の1コーナーで37号車が、23号車のインをついてトップにあがる。5周目にはトップのGR Supra勢の一角だった39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一組、BS)が緊急ピットイン。その前にGR Supraコーナーで、同じGR Supra勢の36号車 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組、BS)と接触して左リアを壊してピットイン、これでトップ争いからは脱落した(この事故は後にレーシングアクシデントと判定され、両車にペナルティなどはでなかった)。

 その後ろで17号車 KEIHIN NSX-GTと100号車 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組、BS)が徐々に順位を上げてきている。13周目の1コーナーで牧野任祐選手が操る100号車が1コーナーでアウトから17号車を抜き去り、ホンダ勢の最上位に上がる。そしてそのままの勢いで3位の23号車をGR Supraコーナーでオーバーテイクし、3位に上がる。引き続き100号車も23号車を抜き、ホンダ勢が3位、4位に上がってきた。

 トップを走るのは37号車 KeePer TOM'S GR Supraと2位の36号車 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組、BS)で、TOM'S勢が1-2、ホンダ勢が3-4位という構図になった。それに続く5位は14号車 WAKO'S 4CR GR Supra(大嶋和也/坪井翔組、BS)が予選13位から徐々に上がってきている。

 20周目に100号車 RAYBRIG NSX-GTが36号車 au TOM'S GR Supraに追いつき最終コーナーでGT300を利用して100号車が36号車を追い抜くが1コーナーまでにストレートで追い抜き返される。しかし、その周のダンロップコーナーで見事なレイトブレーキングをみせて36号車を追い抜き2位に上がる。

最終ラップの最終コーナーを立ち上がったストレートで歴史的な大逆転劇、100号車 RAYBRIG NSX-GTが戴冠

 GT500のピット作業が始まったのは23周目、最初に入ったのは100号車 RAYBRIG NSX-GT、17号車 KEIHIN NSX-GT、14号車 WAKO'S 4CR GR Supraの3台が同時にピットイン。ところが、ピット作業を終えてみると、一番最後に入った14号車 WAKO'S 4CR GR Supraがこの3台の先頭としてピットアウトする。この時点では分かっていなかったが、実は14号車はタイヤ無交換を選び、給油とドライバー交代だけでレースに戻ったのだ。その結果、アウトラップでタイヤの暖まっていない100号車と17号車を大きく引き離し、その翌周にピットに入りすぐにはタイヤが暖まらなかった37号車 KeePer TOM'S GR Supraをも抜いて、トップに立った。

 しかし、14号車のタイヤは徐々に性能低下を起こしており、タイヤの暖まった37号車 KeePer TOM'S GR Supraが再びトップに立っている。その2台に続いているのは3位が100号車 RAYBRIG NSX-GT、4位が36号車 au TOM'S GR Supra、5位が17号車 KEIHIN NSX-GT、6位がタイヤ無交換という賭けにでた8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組、BS)が続いており、3台のGR Supraと3台のホンダNSX-GTのバトルになっている。37周目には、100号車と36号車が2台まとめて14号車をオーバーテイクし、結局14号車は2度目のピットに入り、これでトップ争い、そしてチャンピオン争いからは脱落した。

 これで、トップは37号車 KeePer TOM'S GR Supra、2位は12秒差で100号車 RAYBRIG NSX-GT、3位は36号車 au TOM'S GR Supra、4位は17号車 KEIHIN NSX-GT、5位は8号車 ARTA NSX-GTとなっており、36号車を除けばトップ5のうち4台のうちどれでも勝った車両がチャンピオンだ。ただ、トップの37号車が1分30秒台であるのに対して、2位以下は1分31秒台になっており、徐々に離されていってしまう。セーフティカーでもでない限りは37号車の優位は揺るぎのない状況だ。

 これでレースも、チャンピオン争いはほぼ決まりかと思ったレース終盤、残り10周となった段階で急激に37号車と100号車の差が縮まってきた。GT500トップ2台の差は7.544秒になっており、周回ごとに縮まってきている状況だ。残り8周になると、その差は5.6秒差まで縮まっている。37号車が1分32秒台であるのに対して、100号車は1分31秒台と1秒近く速い。レース終盤の焦点はこの2台の差がどうなるのかに集まっていった。言うまでもなく、勝った方がチャンピオンだ。

 その後、4.6秒差、3.9秒差、残り5周で3.1秒差まで縮まってきた。サーキットには騒然とした雰囲気が漂ってきた。サーキット全体が100号車をドライブする山本尚貴選手の勢いに飲まれているかのようだ。

 そして残り3周で2秒差。見る見る山本尚貴選手がドライブする100号車が、平川亮選手がドライブする37号車に追いつき、この2台の完全な一騎打ちだ。もうコースには他の車両がいないようなこの2台だけに注目が集まる。

 残り2周の段階では平川選手が少し押し戻し2.4秒差、この周は37号車が1分30秒台と、逆に100号車よりも速く走り、余裕があるところを見せつける。最終ラップに入ったときには2.7秒差を維持して、ほぼ勝負あったと言える。

 そのままゴールするのかと思われた最終ラップの最終コーナー、立ち上がった37号車はスローダウン、結局2位でゴールした37号車はフィニッシュラインの先に止まる……症状から見てガス欠だと思われる。37号車は燃料がきつく、タイムをセーブしていたのに、100号車が追いついてきたのでタイムを上げざるを得なくなり、その結果最後の最後にわずかに燃料が足りなくなった、そういうことだろう。

「最後まで何があるかわからないのがレースだ」という名言を残した山本選手がドライブする100号車 RAYBRIG NSX-GTが、そのスローダウンした37号車をオーバーテイクし、今シーズン初優勝。大逆転でチャンピオンを獲得した。

 場内の映像には37号車を降りた後に座り込む平川亮選手、そしてピットではチャンピオンを獲り、泣き出す山本選手のチームメイト、牧野任祐選手というコントラストの高い映像が映し出される、レースというのは常に勝者と敗者が生まれるスポーツだが、サーキットにいた誰もが激闘を繰り広げらた2人のドライバーに惜しみない拍手を送った。

 3位は36号車 au TOM'S GR Supra、4位は17号車 KEIHIN NSX-GT、5位は8号車 ARTA NSX-GT、6位は3号車 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正組、MI)となった。

GT500 シリーズランキング(編集部集計)
順位 カーナンバー ドライバー Rd1 Rd2 Rd3 Rd4 Rd5 Rd6 Rd7 Rd8 合計
1 100 山本尚貴/牧野任祐 5 6 15 6 6 11 20 69
2 37 平川亮 21 8 4 5 8 5 16 67
3 17 塚越広大/ベルトラン・バゲット 20 3 20 1 1 6 8 59
4 36 関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ 15 15 11 4 11 56
5 8 野尻智紀/福住仁嶺 3 1 12 12 20 6 54
6 23 松田次生/ロニー・クインタレッリ 2 20 3 20 4 2 51
7 14 大嶋和也/坪井翔 11 11 2 8 15 47
8 37 ニック・キャシディ 21 8 4 5 8 46
9 39 中山雄一 6 5 6 2 20 3 42
10 38 立川祐路/石浦宏明 8 4 16 2 6 1 3 40
11 39 ヘイキ・コバライネン 6 2 20 3 31
12 64 伊沢拓也/大津弘樹 9 1 5 16 31
13 3 平手晃平/千代勝正 4 3 5 4 8 5 29
14 16 武藤英紀/笹原右京 1 11 5 8 25
15 12 佐々木大樹/平峰一貴 3 15 2 4 24
16 37 山下健太 5 16 21
17 19 国本雄資/宮田莉朋 2 1 4 2 1 10
18 39 山下健太 6 6
19 39 阪口晴南/山下健太 5 5
20 24 高星明誠/ヤン・マーデンボロー 1 3 4

GT300クラス:52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GTがポールトゥウインも、2位の56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rが戴冠

最終戦を優勝した52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組、BS)
最終戦で2位に入り、年間チャンピオンに輝いた56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/J.P.デ・オリベイラ組、YH)

 GT300ではスタートダッシュで予選2位からスタートした61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)がトップに立つ。レースはポールからスタートした52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組、BS)と61号車が抜きつ抜かれつの序盤となった。しかし、すぐに52号車が61号車を抜き返し、その後は52号車がトップを快走した。3位は予選3位からスタートした6号車 ADVICS muta MC86(阪口良平/小高一斗組、BS)だ。4位は11号車 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信組、DL)、5位は56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/J.P.デ・オリベイラ組、YH)となっていたが、ポイントリーダーの56号車は11号車を抜いて4位にあがる。さらに同じくチャンピオン争いをする65号車 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟組、BS)も11号車を抜いて5位に上がった。

 GT500の22周目に65号車がピットイン。事前の予想通り65号車はタイヤ無交換を選択し、そのままのタイヤで走る事を選ぶ。それにより大幅に順位を上げ、ピット作業を終えた中では2位にあがってみせた。それに引き続き同じブリヂストンタイヤを履いているトップの52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GTも同じくタイヤ無交換を選択し、全車がタイヤ交換が終わると、このタイヤ無交換の52号車、65号車が1位、2位になった。3位は6号車 ADVICS muta MC86、4位はポイントリーダーの56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rで、このままの順位でゴールすると、65号車が66点、56号車が64点となり、65号車がチャンピオンとなる。

 ここから56号車の怒濤の追い上げが始まる。前を行く6号車までは十数秒あった差は徐々に縮まっていく。1周で1秒近く速く走っており、残り周回数(20周前後)から考えれば、十分に追いつけそうだ。残り9周となったダンロップコーナーの立ち上がりで、56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rが3位に上がった。さらに残り7周で2位を走っていた65号車 LEON PYRAMID AMGをも抜いて2位にあがり、チャンピオン獲得を完全にした。

 レースはそのままゴールし、優勝は52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GTで開幕戦に続き今シーズン2勝目を獲得した。2位は56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rで、SUPER GTではチームとしての初めてのチャンピオンのタイトルを、今つらい状況にあるため今回のレースは不在にしている近藤真彦監督にもたらした。3位は6号車 ADVICS muta MC86、4位は65号車 LEON PYRAMID AMG、6位は9号車 PACIFIC NAC D'station Vantage GT3(藤井誠暢/ケイ・コッツォリーノ組、MI)、6位はTANAX ITOCHU ENEX with IMPUL GT-R(星野一樹/石川京侍組、YH)。

GT300 シリーズランキング(編集部集計)
カーナンバー ドライバー Rd1 Rd2 Rd3 Rd4 Rd5 Rd6 Rd7 Rd8 合計
56 藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ 8 6 2 20 20 15 71
52 吉田広樹/川合孝汰 20 5 8 8 21 62
65 蒲生尚弥/菅波冬悟 6 8 5 20 11 1 8 59
55 大湯都史樹 4 11 4 15 4 3 4 45
61 井口卓人/山内英輝 15 8 11 7 3 44
11 平中克幸/安田裕信 15 20 5 1 2 43
55 高木真一 4 11 4 15 4 38
4 谷口信輝/片岡龍也 2 3 2 3 11 15 36
6 阪口良平/小高一斗 3 5 15 11 34
2 加藤寛規/柳田真孝 20 11 31
21 川端伸太朗/近藤翼 3 6 20 29
10 星野一樹/石川京侍 6 1 6 4 5 22
88 小暮卓史/元嶋佑弥 15 5 20
5 坂口夏月/平木湧也 11 8 19
18 小林崇志/松浦孝亮 15 15
96 新田守男/阪口晴南 8 7 15
360 青木孝行 1 11 12
31 嵯峨宏紀/中山友貴 5 6 1 12
360 大滝拓也 11 11
25 松井孝允/佐藤公哉 3 2 5 10
34 道上龍/ジェイク・パーソンズ 3 4 1 8
9 藤井誠暢/ケイ・コッツォリーノ 1 1 6 8
55 松下信治 3 4 7
87 高橋翼/山田真之亮 5 5
7 荒聖治/山口智英 2 3 5
60 吉本大樹/河野駿佑 2 2
30 永井宏明/織戸学 1 1
360 柴田優作 1 1

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November 29, 2020 at 01:27PM
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