東京の中心で味わい、語らう。角打ちでナチュラルワインを1杯
ヒューマンネイチャーは日本橋兜町の路地に佇むナチュラルワイン専門店。店主の高橋心一さんは、長年住んでいたニュージーランドでの生活のなかでワインに目覚め、スローフード運動 (註)を生んだイタリア・ピエモンテ州で食科学を学び、ワインの流通の仕事をした。「最初は家族や友人と食卓を囲むのを楽しんでいただけだったのですが、徐々にそのカルチャーにも興味が湧いてきて……。大量生産・消費の時代の影響でワイン産業の主役は高級品もしくは量産品だった。そんなところに、ナチュラルワインのムーブメントによって、本来ワインがもっていた多様性に光が当たり始めた。調べていくうちに、『これは完全にカウンターカルチャーだ』と感じてハマっていきました」。帰国してECからスタートした後、2020年の夏に現在の地にショップ兼角打ちスタイルでオープンした。いまやビジネスマンやクリエイティブな人々が集う人気の場所となった。店内のセラーには300種ほどのワインを取り揃える。「化学物質不使用、自然の力を借りて伝統的な方法で造られたナチュラルワインには、その土地の風土がありありと反映されます。ブドウの品種に加え、土壌や酵母菌、天候、動植物などの多種多様な命の連鎖の輪が味わい深さを生むので、その恵みをいただくことは正にサステイナブルな循環の恩恵を味わうということ。エチケット(ラベル)にも、作り手の思いや遊び心があふれていて、生産者が消費者に直接語りかけ、飲む側もそれをダイレクトに感じることができます。多様な価値観の人に、味わい、語り合う場所としてきっかけを与えられたらと思います」
註:1986年にイタリアのカルロ・ペトリーニによって提唱された考え方。ファストフードに対して、その土地の伝統的な食文化や食材を見直し、生活を豊かにしようという社会運動。
からの記事と詳細 ( 兜町・HUMAN NATURE──地球を味わう実験的レストラン4店 その1 - GQ JAPAN )
https://ift.tt/rxDJT5i
No comments:
Post a Comment