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Saturday, July 2, 2022

【動画あり】地元食材ゆったりと堪能 「泊まれるレストラン tsukaru(つかる)」 はるかほのやさしいお店巡り(Sデジオリジナル記事) - 山陰中央新報社

地元食材を使った料理を提供し、宿泊施設も備えたレストラン「tsukaru(つかる)」=雲南市木次町湯村

地元食材を使った料理を提供し、宿泊施設も備えたレストラン「tsukaru(つかる)」=雲南市木次町湯村

 「心身にやさしい」山陰両県のお店を紹介する「はるかほのやさしいお店巡り」。今回は雲南市木次町湯村にあるレストラン、宿泊施設「tsukaru(つかる)」を紹介する。(Sデジ編集部・宍道香穂)

 安来市出身の足立竜太さん(33)と妻の志帆さん(33)=大阪府出身=が、雲南市産の野菜や肉を中心に料理して、宿泊者をもてなしている。店舗2階に宿泊用の部屋があり、1日1組限定で宿泊できる。

 緑に囲まれた温泉地・湯村にあり、宿泊客は近くの日帰り温泉を無料で利用できる。古民家を改装した店内はすっきりとシンプルで、ゆっくり落ち着いて過ごせる雰囲気だ。

古民家を改装した店内。シンプルな内装で、落ち着いた雰囲気だ。

▷落ち着いた空間で楽しむ地元食材
 ランチは税込み1500円で、パスタやサラダ、スープ、パンなどがセットになっている。「その時に準備できる地元食材で調理をする」ため内容や使用する食材は日によって変わる。どんな食材が用意されているのかは当日のお楽しみ、というスタイルは珍しく、わくわくしそう。追加料金300円(税込み)でデザートを付けることができる。

 例えばある日のランチは冷製スープ、サラダ、パン、パスタ、シフォンケーキとシャーベット。野菜や肉はなるべく雲南市産を使い、パスタに入っているイノシシ肉も雲南市内で捕獲したものという。パンには大山小麦を使っている。志帆さんの実家で栽培しているイチゴを使ったシャーベットは濃厚な味わいが楽しめる。シフォンケーキはデザートとして提供するほか、道の駅「おろちの里」(雲南市木次町北原)でも販売している。

野菜やイノシシ肉など、地元の食材を堪能できる。(足立さん提供)

 ディナーは予約制で、1日1組限定で受け付ける。ランチと同じように、その日に準備できる新鮮な食材を使った料理を提供している。5500円(税込み)のコース料理が基本で、例えばバーニャカウダ、前菜、パスタ、魚や肉を使ったメイン料理、デザートを楽しめる。客の要望に沿って対応することもあり、予算や食べたい料理に合わせたメニューを提供することもできると言う。貸し切り状態の店内で、地元食材をふんだんに使った料理をゆっくりと楽しむ。ぜいたくですてきな時間の過ごし方だ。

 宿泊スペースは店舗2階。和室と洋室の計2部屋で、洋室が約10畳、和室が約20畳。それぞれベッドが二つずつ備え付けられているほか、布団も用意してあり、10人まで宿泊できる。窓の外いっぱいに山々の緑が広がり、日常の慌ただしさを忘れてのんびりとしたひとときを楽しめそう。

宿泊スペースの様子。窓の外に緑が広がり、ゆったりとした時間を過ごせそうだ。
広々とした2部屋に、計10人まで宿泊できる。

▷生産者と消費者の架け橋に
 オーナーの足立さん夫婦は島根大学の同級生で、大学卒業後、それぞれ大阪や名古屋のレストランで料理の修業を積んだ。「ゆくゆくは島根で店を持ちたいという共通の夢があった」と話し、志帆さんが2020年、竜太さんが翌21年に島根県に戻った。

足立竜太さん(33)と妻の志帆さん(33)

 食に携わる中で「生産者と消費者の架け橋になりたい」との思いがあったと言い、食材が生産される過程や苦労を知るため、島根に戻ってからは雲南市内の農家でそれぞれ農業研修に参加した。志帆さんはトマトやピーマン、キャベツといった作物づくりに携わる中で「生産者側の苦労が分かった」と話した。特に、規格外野菜として処分される野菜が想像以上に多かったことに衝撃を受けたという。

 カフェとして使われていた古民家が店の移転に伴い空き家になっていると知り、2021年11月に店を開いた。形が悪く出荷できない野菜を買い取ったり、近隣住民からぜひ料理にと譲ってもらった食材を使ったりと、地元産の食材を無駄なく大切に使うことを心がけている。

雲南市木次町湯村、tsukaru(つかる)

足立さん夫婦は「へんぴな場所だからこそ、足を運んでもらう意義が必要。ここでとれた物をここで食べるからこそおいしいと感じてもらいたい」と話してくれた。豊かな自然の中で地元の「食」を提供するという本物のおもてなしが実現されている。店名の「tsukaru(つかる)」は「自然につかり、温泉につかり、湯村の町につかり、癒やされてほしい」との願いを込めて名付けたという。
 ゆったりと時間が流れる静かな環境で、食材のルーツに思いをはせながら料理を味わう。忙しい日々の中でつい忘れてしまいがちな「食への感謝の心」を思い出させてくれる店だと感じた。

 予約は電話070(8346)5428。インスタグラムのダイレクトメッセージでも受け付ける。ランチ、カフェは午前11時から午後5時までで、月曜定休。終了時間は前後する場合がある。ディナーは予約客の希望時間に合わせる。宿泊のチェックインは午後4時、チェックアウトは午前10時。


 本紙は情報部・坂上晴香、SデジではSデジ編集部・宍道香穂の「はるかほ」コンビでお届けしました。第3弾もご期待ください。
 

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