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Monday, February 27, 2023

神戸港を一望、スターシェフたちがコラボする劇場型レストラン「Sincro(シンクロ)」がオープン - ELLE JAPAN

sincro 神戸

2023年1月18日(水)、通販で知られる「FELISSIMO(フェリシモ)」の新社屋内にレストラン「Sincro(シンクロ)」がオープンした。場所は、水族館「átoa(アトア)」がオープンするなど開発が進んでいる神戸市の新港町エリア。眼前に海が広がり、停泊する帆船や、ライトアップされた神戸大橋、大観覧車までも眺めることができる、絶好のロケーションだ。“ステージ”をイメージしたという「Sincro」内部は、段差がさりげなく隣席との境界を作り出す。

3名のシェフが監修した、ここでしか味わえないコース

「Sincro」はプロジェクトごとに料理のジャンルやメニューを考案する料理人が変わるスタイルが特徴的なレストラン。オープニングを飾るシェフは、中東篤志さん(京都「そ/s/kawahigashi」、福井「和久里のごはんや おくどさん」)、崎 楓真さん(東京「いづく」)、酒井研野さん(京都「日本料理 研野」)の3名。

それぞれの解釈で独自の「日本料理」を展開する3名のシェフ。左から、中東篤志さん、崎 楓真さん、酒井研野さん。

中東さんは、NYと京都を拠点に、カリナリーディレクターとして飲食店プロデュースやコンサルティング等を手掛ける。崎さんは、26歳という若さながら食通やセレブの注目を集めるシェフで、銀座一丁目に構えた店は瞬く間に予約が取れない人気店に。酒井さんは、昨年若手のための料理人コンペティション「RED U-35」で日本料理人として初めてグランプリを受賞、「ミシュランガイド京都・大阪2023」1ツ星を獲得したことでも話題になった。

料理のコンセプトは“おいしさ・いろいろ・ちょっとずつ”を実現する「cobacci cuisine(コバチ キュイジーヌ)」。3名が、お互いの料理を味見しながら創作したメニューが代わる代わる登場し、ときにはひとつのプレートの中で合作となりながら、ここでしかいただけない流れのあるコース料理を織りなす。

中東シェフ「冬の裏六甲」。冬の落ち葉に見立て乾燥させた白菜の下に、たっぷりの野菜とローストビーフが彩りよく盛りつけられている。

まずは中東シェフの料理からスタート。野菜の味わいを活かした料理を得意とする中東さん。玉ねぎの真ん中の、最も甘い部分だけをすり流しにしたスープが、コースの期待感を高めてくれる。ローストビーフをメインとした一品「冬の裏六甲」も野菜たっぷりで肉料理の重さを感じさせない。

前菜5品。左上から時計回りに、崎さん「鰆の炙り」、酒井さん「胡桃豆腐」、崎さん「柿のマリネ」、中東さん「弓削牧場チーズの一口ピザ」、酒井さん「海老の紹興酒漬け」。

ロゴ入りの木箱を開けると、「cobacci cuisine」というコンセプトを体現するような小さな前菜が5種類。神戸が日本のピザ発祥の地であることにインスピレーションを得た一口ピザや、中華風味の紹興酒漬け、さっぱりと口直しできるマリネなど、それぞれ違った趣向の料理がバランスよく並ぶ。

ガリガリっとした食感とあまじょっぱい餡の組み合わせがたまらない、酒井さん「鶏のあられ揚げ」。

日本料理をベースにしながら中国料理の技も学んだ酒井さんの「鶏のあられ揚げ」は、ジューシーな鶏もも肉にぶぶあられを纏わせて、油でカリッと焼き上げた中華風の一品。兵庫名物・朝倉山椒がアクセントとなり、食べ応えがありながらもすっきりとした後味に。

崎さん「蕪のみぞれ仕立」。添えられた柚子胡椒で味の変化も楽しめる。

崎さんは、冬という季節を意識した温かい汁物を担当。六甲山麓から流れる、日本名水百選にも選出された「布引渓流の水」を使って、聖護院かぶらを炊き上げてすり流しに。ホクホクとした食感と体に染み渡るような優しい味わいに癒される。

料理が生まれた背景を伝える映像

各テーブルに置かれたタブレット。産地を訪れる料理人の姿が映し出される。

「日本の食文化をクリエイティブに進化させる触媒のような存在になりたい」と、フェリシモ代表取締役社長の矢崎和彦氏。「Sincro」の存在を、単なるレストランではなく「食文化の新しい劇場」と位置付ける。フェリシモを立ち上げてからさまざまプロジェクトを実現させてきたが、なかでも「Sincro」は、最も時間を要したプロジェクトだと語る。

矢崎社長の想いを受けて、メニュー開発、監修シェフの起用等、総合的なプロデューサーとして「Sincro」の根幹をつくったのが、映像制作プロダクション「ダイズ」の平井直人氏だ。

関西を拠点に数々の料理番組を手がけてきた平井氏。「Sincro」では平井氏の監修のもとで制作された、短いドキュメンタリー映像も楽しめる。各テーブルに設置されたタブレットで、料理人たちがどんな生産者から食材を仕入れたのか、何を想い、どのように料理を組み立てたのか、理解できるのもこのレストランならではの醍醐味である。

エグゼクティブシェフの北川 理映子さん。

現場を取り仕切るスタッフたちの腕も確かだ。レシピを再現する北川理映子シェフは、調理師専門学校で長年講師を勤め「日本料理アカデミー」主催のコンペでは近畿大会優勝などの成績を残してきた人物。

ソムリエの塚元 晃氏によるペアリングも。

ドリンクペアリングは数々のソムリエコンクールで受賞歴を持つ塚元 晃さんが考案。フェリシモ社屋内に新設されたワイナリー「f winery」のワインを含む、ありきたりではないセレクト。ノンアルコールのペアリングも、スパイスを用いたオリジナルカクテルなど工夫に富んでいる。

きちんとおいしい料理と心のこもったサービスで、2時間みっちり飽きることなく、新しい食体験に身を委ねることができるだろう。

外から眺めた「Sincro」。全面ガラス張りで、開放感に溢れている。

食だけに留まらない、さまざまな分野のプロフェッショナルが関わって生まれたレストラン「Sincro」。監修シェフは定期的に変わる予定で、今後も気鋭のシェフたちがレストランを盛り上げていく予定。中東篤志さん×崎 楓真さん×酒井研野さんのコラボメニューが楽しめるのはこの春まで(メニュー内容は季節の素材に合わせて変更)。プロジェクトごとに生まれる期間限定の料理を、新鮮な気持ちで味わいたい。


「Sincro」
兵庫県神戸市中央区新港町7-1 Stage Felissimo2F 海側
tel.078-332-4960
営業時間/昼11:00~、夜18:30~ ※当面はディナーのみ営業、完全予約制、一斉スタート
定休日/月・火曜
https://feli.jp/s/pr230130/1/
@sincro_2022

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