松江を中心に島根には「カツライス」というご当地グルメがありますが、その発祥と言われているのが、松江で90余年続く洋食店『西洋軒』です。濃いめのデミグラスソースと島根県産ポークのカツには、一番搾りがとびきり合いました。
目次
島根を代表する洋食店のひとつ
人口約21万人、宍道湖と中海、そして国宝松江城を囲む堀川「京橋川」が市内を流れる水の街・松江。東京からは航空路線が米子空港などに直行しているほか、日本では大変貴重になった夜行列車・寝台特急サンライズ出雲号が、毎日東京駅から直通しています。
歴史がある街だけあって長く続く飲食店が多く、また山陰地方ならではの山の幸、海の幸、そして高低差・寒暖差を活かした銘酒と、提供される食も非常に魅力的です。
そんな松江で、お昼から飲むならば老舗の洋食店を訪ねてみるのはいかがでしょう。
島根県庁から松江堀川を挟んだ向かい側にある『レストラン西洋軒』が今回の目的のお店です。
創業はいまから90年以上前の1932年。現在は3代目が老舗の暖簾を守っています。店構えは、いかにも名のある洋食店という佇まいで、嬉しいことにショーウインドウには島根ワインなども置かれ、「お酒を飲んでいい店」だということがわかります。
お昼は11時30分から営業。ランチのピークは混み合いますので、開店時間にあわせてやってきました。
店は一階が奥に長いカウンター席のみで、突き当りが厨房です。二階は本格的なコースも楽しめる、テーブルクロス敷の立派なレストランの雰囲気になっています。グループは二階へ通されますが、酒場好きとしてはやはりカウンターで飲みたいもので、一人店の一階に入れていただきました。
品書き
お酒
- 生ビール キリン一番搾り:600円
- 瓶ビール キリンラガー:600円
- 日本酒 地酒:600円
- ウイスキー水割り:600円
- グラスワイン:500円
- 島根ワイン:ハーフ1,300円、フルボトル2,500円
料理
- カツライス(サラダ付き):950円
- 洋風カツ丼(デミグラスソース仕立て):1,000円
- オムライス:1,000円
- カニクリームコロッケ:1,200円
- 島根和牛ヒレステーキ:3,300円~
- ハンバーグステーキ:1,200円
- タンシチュー:1,600円
ベースは3週間かけて煮込む!デミグラスソースが味の決め手
生ビール キリン一番搾り(600円)
料理ができるまで、まずは喉を整えるために生ビールを。鮮度、温度、ガス圧、回路ともに完璧に思える、状態良好の生ビールが運ばれてきました。思わず、うっとり。それでは、キリン一番搾りで乾杯!
カツライスサラダ付き(950円)
7分ほど待って、カツライスが運ばれてきました。盛り付けも美しく食欲をそそられます。
カツライスは一見、とてもシンプルな料理です。白いライスの上にトンカツを載せ、デミグラスソースをかけたもの。ですが、これが非常に奥深く複雑で妙味な味です。
味のポイントはデミグラスソースでしょう。聞けば様々な牛の部位や野菜を3週間もかけて煮込んだベースを使っているそうです。
島根県では洋食店に限らず、居酒屋でもメニューにのっていることの多いカツライスですが、その発祥がここ西洋軒なのだそう。
島根県産豚を使っているというトンカツはやや薄めで、パン粉はザクザク感のある粗めのものが使われています。そこへデミグラスソースが染み込むのですから、ビールと合わないはずがありません。
特製ドレッシングの香りが豊かでサラダも楽しめました。
ごちそうさま
初代が考案したカツライスを、3代で守り続けているのは凄いことです。90年前の人が食べた味を、令和のいまも味わえる――。老舗飲食店はタイムカプセのような存在ですね。
オムライスやタンシチューなども人気のようでした。
松江のお昼は、ビールやワイン片手に老舗の味を楽しみませんか。
こちらも老舗です
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | レストラン 西洋軒 |
住所 | 島根県松江市片原町111 |
営業時間 | 営業時間 11:30~14:00 (L.O) 17:30~19:30 (L.O) 定休日 日曜日 |
開業時期 | 1932年 |
からの記事と詳細 ( 松江『レストラン西洋軒』のカツライスが絶品!90年以上続く老舗で贅沢な昼ビール - Syupo [シュポ] )
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