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Sunday, April 12, 2020

交差するさまざまな思い出…みんなが愛した「磯ラーメン」 半世紀続いた老舗レストラン最後の1日に密着!【岩手発】(FNN.jpプライムオンライン) - Yahoo!ニュース

半世紀続いた老舗レストラン「きりきり善兵衛」が閉店

岩手県大槌町で50年続いた老舗レストランが3月に閉店した。

長い歴史の中には、バブル時代のにぎわいや東日本大震災時の炊き出しなど、さまざまな出来事があった。

【画像】地域に愛された味「磯ラーメン」

地域に愛されたレストランの最後の1日を追った。

大槌町吉里吉里、海を見下ろすレストラン「きりきり善兵衛」。国道45号線沿いで、ドライバーや観光客の食事処として50年営業してきた。

きりきり善兵衛 前川隆太郎代表:
あっという間に最後の営業日。笑顔で迎えて気分よく帰ってもらいましょう

1969年、吉里吉里地区で初めてのドライブインとしてオープンした「きりきり善兵衛」。
創業当時からの名物は、三陸ならではの「磯ラーメン」。

バブル景気の1987年には、隣の山田町に、沿岸部で唯一の遊園地「マリンパークやまだ」がオープンし、店は繁盛した。

しかし、東日本大震災後に進んだ交通網の整備が思わぬ影を落とした。

きりきり善兵衛 前川隆太郎代表:
道が良くなったので、三陸沿岸道路を使って日曜日とかも来てくれる客も。ただ平日の方が少なくなった

2019年、三陸沿岸道路の大槌インターチェンジが開通すると、国道45号線の交通量が減少。

来店客も半分近く減り、売り上げが低迷したことで苦渋の決断となった。

最後の1日 店内からは悲しみの声

午前11時、開店。「磯ラーメン」が次々と注文される。

盛岡市から来た人:
釜石出身なので家族との思い出があって、懐かしいし、寂しい

ーーきょうで最後ですが?

盛岡市から来た人:
言わないでください。涙出てきそうになる…

楽しいひとときだけではなく、苦しいときも支えてきた。

地元の消防団員:
震災の活動をしていて、バスで来て、ここで団員と食べた

東日本大震災の発生から9日後には、倉庫に残っていたラーメンを無料で被災者に振る舞い、悲しみに暮れる人々の心と体を温めた。

地元の消防団員:
(当時のラーメンは)とてもおいしかった

ーー番好きなメニューは?

地元の消防団員:
やっぱり磯ラーメンかな

ーー涙ぐんでいる人もいましたが?

きりきり善兵衛 前川隆太郎代表:
なんていったらいいか、本当に感謝しています

創業当時からの常連:
磯ラーメンを味わいたくて来た。家族総出で。おふくろの味みたいな言葉を引用するなら、そういう部分があるのかな。ここの味は

50年の歴史に幕

この日、閉店発表してから最多の222人が来店。
午後4時半、最後の客が帰った。

きりきり善兵衛 前川隆太郎代表:
ピンとこない。一緒に働いてくれた従業員も寂しくなるねと。やっぱりピンとこない。わたしがやる前のお客さんもあるわけですから、そういうお客さんが来てくれて、当時のことを思ったりすることもあったのかもしれませんけど。心の中に自分たちの店が関わっていただけでもうれしい

楽しいときも苦しいときも三陸とともにあった。

訪れる人の懐かしい思い出を呼び起こし、静かに幕を閉じた。

(岩手めんこいテレビ)

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岩手めんこいテレビ

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