2020年04月27日07時05分
2018年平昌五輪のカーリング女子3位決定戦。日本のロコ・ソラーレのメンバーは「負けた」と思いながら、英国のラストショットを見詰めていた。
4―3の先攻で迎えた最終第10エンド。先に最終投を放ったスキップの藤沢五月は、石の軌道を見て叫んだ。「ラインは完璧」。だが、円の手前で急に大きく曲がり始める。日本の石をかすめ、狙いよりも石1個半分ほど届かずに止まった。
この時点で、円心に最も近いナンバーワンの石は英国。何もしなくても1点を取れる場面で英国はあえてリスクを冒し、2点を狙いにきた。円内に残った藤沢の最終投の石に当てて利用し、日本の石2個をはじき出す作戦。英国のスキップ、ミュアヘッドが得意とするテイク系のショットだ。
ところが、ミュアヘッドにとって難しくないはずの最終投は思い通りに曲がらず、外側にずれた。はじかれた日本の石は、回転しながら円心へ引き寄せられた。痛恨の失投だった。ミュアヘッドは第9エンドでもテイク系のショットを失敗していた。直前の動揺、メダルが懸かった重圧は名手の手元を狂わせた。
どよめきと拍手が交錯するリンク上で、日本のメンバーは頭の中が整理できないまま抱き合い、むせび泣いた。サードの吉田知那美は言う。「最後は相手にとっては正直イージーショットだったと思う。でも、何があるか分からないのがカーリングだった。氷の神様に感謝したい」。紙一重の戦いを制し、日本カーリング界初となるメダルをつかみ取った。
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April 27, 2020 at 05:19AM
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カーリング女子、敗戦覚悟で見詰めた最終投 平昌、劇的銅メダル―五輪あのとき - 時事通信ニュース
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