原発の使用済み燃料から出る高レベル放射性廃棄物(HLW)を地下深くに埋めて安全に隔離する最終処分について定めた法律が、制定から20年を迎えた。
この最終処分法に基づいて設立された原子力発電環境整備機構(NUMO)が、平成14年から処分場の建設受け入れを検討してくれる市町村の公募を続けている。しかし、手が挙がったのは、途中で断念した高知県東洋町の1例があるだけだ。現在は国が自治体に申し入れる方式も併用されている。
フィンランドでは4年前から地下最終処分場の建設が始まり、スウェーデンでも建設地点が決まっているが、両国とも地点確定までに約20年の歳月を要した。
ガラスで固めたHLWの放射能は最初の千年で99%以上低減するが、その後は減り方が遅くなり、数万年以上、人間の生活圏から遠ざけることが求められる。
地点選びは「文献調査」「概要調査」「精密調査」と3段階で進む。現在、国とNUMOが求めているのは、文献調査への応募や国からの打診への受諾である。
文献調査では市町村に2年間で20億円、ボーリングを伴う概要調査に進むと4年間で70億円が提供される。次の段階に進むかどうかは知事や市町村長の意見を聞いて、反対であればそこで終わりとなるルールだ。
まずは1カ所でも文献調査が受け入れられることを期待したい。調査中は、地域の地質情報を机上研究で確認するのと並行し、地元の人々とNUMO職員との間で地域発展の将来ビジョンなどを語り合う「対話の場」も持たれる。
関心を持ちながら文献調査への応募を躊躇(ちゅうちょ)していた市町村もあるだろう。先行自治体があれば、その様子を参考に、安心感を持って手を挙げやすくなるはずだ。
国やNUMOは、国内の複数地点での文献調査を期待している。異なる地形や地質の土地で調査が行われると、理想的な候補地選びに向かうからである。
国は3年前に国内にも地下処分の適地があることを示す日本地図を作製し国民の関心を喚起している。HLWは原発への賛否と関係なく既に存在している。将来世代に先送りせず、現世代で処分への道筋をつけるべきだ。地下埋設の最終処分は、完了までに100年を要する一大事業なのである。
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May 31, 2020 at 03:00AM
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【主張】最終処分法20年 文献調査の扉を開けよう - 産経ニュース
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