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Sunday, May 3, 2020

上場企業の最終益6割とエコノミスト予想 ダメージ深刻で回復に時間 - SankeiBiz

 エコノミスト緊急アンケート<3>

 世界的な新型コロナウイルスの感染拡大が生産や販売、輸出、投資など幅広い企業活動に影を落としている。外出自粛の動きが全国に広がり、多くの企業が営業の縮小や休業に追い込まれている。業績予想の下方修正も相次いでいる。

 外出自粛などの影響で、上場企業の最終利益がどの程度下押しされるか、エコノミストに予想を尋ねた。令和2年4~6月期について、回答者の平均はマイナス64・9%となった。「マイナス150%」(農林中金総合研究所の南武志氏)や「ほぼマイナス100%」(明治安田総合研究所の小玉祐一氏)というより厳しい予想もある。

 政府の緊急事態宣言や、自治体による不要不急の外出の自粛要請、一部施設への休業・使用停止の要請・指示の時期と重なるだけに、ダメージは深刻だ。

 4~6月期について、岩井コスモ証券の有沢正一氏は「消費の落ち込みとサプライチェーン(供給網)混乱の影響が重なって、企業業績に最も厳しい時期になりそうだ」と身構える。

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎氏は「業種によっては4~6月期の売上高が半分以下になる。人件費や不動産賃貸料などの固定費は従来通り負担することになるため、最終利益も半減程度を覚悟する必要がある」と警戒する。

 2年度は平均でマイナス33・6%となった。多くのエコノミストは夏以降の持ち直しを想定するが、通期でも業績の大幅悪化は避けられそうもない。

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の嶋中雄二氏は「落ち込み前の水準を取り戻すには時間を要する」と指摘。ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎氏は「全産業の年度を通した減益幅はリーマン・ショック時並みとなりそうだ」と予想する。

 感染拡大の悪影響を特に強く受ける業種を複数回答で尋ねたところ、最多は宿泊と航空(いずれも18票)、次点は飲食(16票)と外出自粛による需要消失の影響が色濃く出た。4番目は自動車(11票)で、工場の操業停止や部品供給網の寸断が重しとなっている。

 ■回答したエコノミスト

 岩井コスモ証券             有沢正一

 SMBC日興証券            牧野潤一

 岡三証券                愛宕伸康

 クレディ・スイス証券          白川浩道

 シティグループ証券           村嶋帰一

 JPモルガン証券            鵜飼博史

 ソシエテ・ジェネラル証券        会田卓司

 ソニーフィナンシャルホールディングス  菅野雅明

 第一生命経済研究所           熊野英生

 大和証券                岩下真理

 大和総研                小林俊介

 ニッセイ基礎研究所           斎藤太郎

 日本総合研究所             枩村秀樹

 農林中金総合研究所            南武志

 野村証券                 美和卓

 野村総合研究所             木内登英

 バークレイズ証券            山川哲史

 BNPパリバ証券           河野龍太郎

 富士通                 早川英男

 みずほ証券                末広徹

 みずほ総合研究所            山本康雄

 三井住友DSアセットマネジメント    宅森昭吉

 三井住友トラスト・アセットマネジメント 上野裕之

 三菱総合研究所             武田洋子

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券   嶋中雄二

 三菱UFJリサーチ&コンサルティング 小林真一郎

 明治安田総合研究所           小玉祐一

 りそな総合研究所            荒木秀之

  (敬称略、社名の五十音順)                

 ■主な質問と回答

【問】新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、4~6月期の実質国内総生産(GDP)は前期比年率換算でどの程度を予測するか

【答】マイナス42.0%~マイナス9.8%、予測平均値=マイナス21.8%。有効回答27

【問】令和2年度の実質GDP成長率の見通しは

【答】マイナス9.3%~マイナス3%。予測平均値=マイナス5.2%。有効回答28

【問】政府が取りまとめた緊急経済対策は100点満点で何点か。70点を合格点と設定

【答】最低点=30、最高点=80、平均点=60.46。70点以上=9人、70点未満=19人。有効回答28

【問】追加の経済対策は必要か

【答】必要=20人(全体の74%)、不必要=4人(15%)、その他=3人(11%)、有効回答27

【問】新型コロナウイルスの感染拡大の影響で上場企業の4~6月期の最終利益は前年同期比でどのくらい下押しされるか

【答】最大値=マイナス150%、最小値=マイナス30%、平均値=マイナス64.9%。有効回答11

【問】新型コロナの影響で令和2年度の最終利益は前年度比でどのくらい下押しされるか

【答】最大値=マイナス80%、最小値=マイナス20%、平均値=マイナス33.6%。有効回答12

【問】5月から12月末にかけての日経平均株価の最高値と最安値の予想は

【答】最高値=2万5000円、最安値=1万3750円。有効回答20

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