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Wednesday, August 31, 2022

「ゴルフ場の食堂は上座・下座が逆」って常識!? もし相手が知らなかったら裏目では? - e!Golf(イーゴルフ)

 サラリーマンゴルファーにとって上座、下座は常に気になるものです。でも、ゴルフ場のレストランって、どこが上座か分かりにくいですよね。

 接待する相手や上司を気遣い、コースの景色がよく見える手前の席に座ってもらった。ゴルフ場のレストランの場合はそれがマナーと教わったことがある人も多いでしょう。しかし、相手がそれほどゴルフをしない人だった場合、こちらの素直な気持ちが伝わらずに「なんだ、奥に座って!」と、内心イラッときているかもしれません。

 そんな行き違いをなくして年長者を立てるには、「基本と“あること”を知っていれば解決します」と、プロゴルファーも指導する人材教育会社(株)エミー代表取締役の渡辺満枝さんは言います。

 さっそく基本と“あること”を、接客マナーに関する著書もある渡辺さんに詳しく教えていただきました。

 まずは、基本の確認から始めましょう。

「オフィスの応接室やミーティングルームは、壁と窓だけのシンプルな部屋である場合が多いです。このように外の景色には気を留めることがないような場合の席次は、一般的に出入口から遠いところが上座、出入口に近いほど下座と決められています。出入口からの距離が同じくらいの場合は、ソファーのほうがひじ掛け椅子よりも高い席と判断します」

 次は応用編です。

 接待相手や上司に、上座ではないが景色がよく見える席に座ってもらう心遣いは必要なのか。景色が見える席を勧められた上席者はどう思うのかも併せて考えます。

「借景という言葉があるように、ゴルフ場のレストランでは、お食事をしながら景色を楽しむことも大切な要素です。上席者や年長者には、レストランのどのテーブルに案内されても、ゴルフコースがよく見える景観の良い席にお掛けいただくほうが良いと思います。もしテーブルを選べるなら、出入口に近い席より出入口から遠い窓側のテーブルのほうが、一般に景観が良いですね」

 なるべくレストランの奥のほうのテーブルへ進み、なおかつ景色が見える席にお掛けいただく。たとえ上座ではないとしても、景色がよく見える席に座っていただくほうが良いのです。

 ただし、冒頭で出てきたように、入口から遠いところを上座と思っている上司や年長者がいらっしゃるかもしれません。それに対して渡辺さんはこうアドバイスします。

「そういう行き違いを解消するのが“あること”、つまり一言添えることなのです。『こちらのお席が眺めが良いので、こちらではいかがでしょうか』と言葉で補い、心遣いを伝えることが大切です。また、迷ったときは、このレストランではどの席を上座と決めているかをスタッフに尋ね、その意見に沿うのも良いでしょう。その場合も『いま上席を伺いましたら、こちらとおっしゃるものですから、こちらのお席でよろしいですか』と、必ず言葉で補います」

 あくまでも奥が上座と思っている人、外が見える景色の良い席が上座と思っている人など、基本を少し離れるとさまざまな考え方があります。そういう場合も「言葉によって相手への心遣いをしっかりお伝えする心がけがあれば、決して失礼にはなりません」と渡辺さんは言います。確かに、これならイラッとされることはなさそうです。

 では、基本と言葉での補足という味方を得たところで実践編に進みましょう。

A.正方形のテーブルが窓に向かって斜めにセットされている場合、長方形のテーブルの長い面が窓に沿ってセットされている場合

 自分が先に席について上司を待つ場合は、出入口から遠いテーブルの、上席者や年長者が入ってくるのが見える奥の席に座ります。入っていらしたら即座に立ち上がり、『眺めが良いお席へどうぞ(お掛けください)』と声をかけて、景観がよく見えるお席をご案内しましょう。一緒にレストランへ入るときも、そのように心遣いを表す声をかけて着席すると良いでしょう。

B.柱と窓の間にセットされたテーブルの場合

 お相手が後から来る場合、入っていらっしゃったことに気がつかないのは問題です。柱の陰ではなく、入口が見える席に浅く腰を掛けて待ち、テーブルを探している気配があれば出向いて行きます。景観が同じような場合は、レストランスタッフが席の後ろを行き来する頻度が高い席、隣の席や柱との間隔が狭い席を避けます。「こちらのお席がゆったりお座りいただけると思いますので、こちらでよろしいですか?」とご案内しましょう。

基本編、応用編、実践編A、Bまで頭に入れておけば、だいたいの困った場面はカバーできそうですね。

「マナーはお作法ではありません。例えば、お茶の作法である表千家と裏千家とでは、手の組み方が違います。表千家の方が裏千家の手の組み方をすると、それは表千家ではありませんと直されるはずです。しかし、マナーの原点は“相手に不快な思いをさせない”“相手に恥をかかせない”ことですから、TPOに合わせて基本を崩したり応用したりしても構いません。ただ、基本を知らないのではなく、知っていて崩していただきたいのです。そういうときは言葉で補うことで心遣いを伝えると良いでしょう」(渡辺さん)

 あまり堅苦しく考えず、素直に気遣いを伝え、受け取ることで食事の時間を和やかに過ごしたいものです。

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