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Tuesday, October 20, 2020

神戸市の日本初SIB、最終目標達成に至らず - DIGITALIST

 神戸市は、2017年度から19年度に実施した、日本初のSIB(ソーシャル・インパクト・ボンド)事業「糖尿病性腎症等重症化予防事業」の最終評価を公表した。成果指標とした腎機能の低下抑制率は目標の80%を下回る32.9%で、上限786万円を予定していた委託料を減額し、323万円を支払った。総事業費は予定上限額3406万円に対し、2943万円だった。

最終評価と成果報酬支払い額(神戸市の資料を一部加工)

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 事業は医療費の抑制を目的に、神戸市の国民健康保険被保険者のうち、特定健診で糖尿病または腎症のハイリスクと診断され、医療機関未受診または治療中断中の人を対象に保健指導プログラムを実施、効果を検証するもの。三井住友銀行、社会的投資推進財団(現・社会変革推進財団、以下SIIF)、個人投資家がSMBC信託銀行を介して資金を提供し、DPPヘルスパートナーズ(広島市、以下DPP)が事業を受託、SIIFが中間支援組織として進捗管理や関係間調整を担った。評価は第三者機関である未来工学研究所が行っている。

SIBの実施体制(資料:神戸市)

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 DPPは対象者105人に対し、独自開発の教材や自己管理手帳を用いて17年7月〜18年3月に2回の面談と10回の電話による保健指導を実施。市は修了時に成果と連動しない委託料1048万円を支払った。18年7月の中間評価では、プログラム修了率100%・生活習慣改善率95%と、おのおの目標の80%・75%を達成したため、成果連動の最大設定額である合計1572万円を支払っている(関連記事)。

 未来工学研究所による最終評価では、プログラムを修了し生活改善がみられた105人全員を対象に、19年度の診データにおける腎機能(eGFR値)の低下抑制率を評価した。健診未受診などによる除外で最終的に評価対象となったのは76人で、うち成果が認められたのは25人に留まった。しかし、副次的効果としてBMIや血圧、中性脂肪については有意な改善が見られ、保健指導の効果はあったと結論付けている。

 神戸市は以前から既に重度の腎症患者に対し受診勧奨や保健指導を行っていたため、今回の事業では開始直前に対象者を重症者から軽症者に変更したが、成果指標は変更しなかった。これに対して、軽症者は短期間で腎機能が低下するリスクが低く、また、対象者は保健指導プログラムへの参加希望を募って選定したため健康意識の高い人が多かったことなどから、経済産業省および一般財団法人社会変革推進財団による事業総括レポート(2020年10月、日本総合研究所が作成)では、保健指導プログラムの効果が出にくかったと総括。対象者を軽症者に変更したことに伴って成果指標の見直しをしなかったことについて、SIB を活用した事業として適切ではなかったと分析している。こうした点などから、事業総括レポートでは、SIB案件を形成する際には初期段階で対象者確保の見込みをつける必要があると指摘している。

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