ミシュランの星付きレストランといえば、金がかかるというイメージがつきものだが、それには正当な理由がある。例えば、複数の料理で構成されるテイスティングメニューに使われる食材だけを見ても、十分元が取れる豪華なものが使われていることが多い。しかし、いくら特別な日を祝って豪勢な食事をしても、次の家賃はいつも通りに支払わなければならないというのが現実である。
ただ食通たちは、ミシュランの星付きレストランの全てが高額なわけではないことを知っているのだ。事実、少し探せば、(シャンパン1本を注文した場合でも)コースメニューを一人当たり50ドル以下(約5,500円)で楽しめる素晴らしいレストランがたくさんある。金融情報サイトTop Dollarが作った、世界各都市のリーズナブルなミシュランの星付きレストランを紹介するマップを見ればそれがよく分かるだろう。
Top Dollarでは、一つ星から三つ星までの全てのレストラン(合計500以上)をチェックし、メニューの価格を調査。3品のコースメニューを食べられる店のなかで、最も安い選択肢を探し出した(コーススタイルではないタパスなどは除外)。
彼らが選んだ世界で最も安価なミシュランの星付きレストランは、フランスのコロンベ・レ・デュー・エグリーズにあるHostellerie la Montagne。この店では、季節限定メニューを25ドル(約2,750円)という安さで提供している。ちなみに東京で選ばれたのは、神楽坂のルグドゥノムブションリヨネ(66.85ドル=約7,350円)だ。
リスト全体を見てみると、50ドル以下でコースが楽しめるミシュランの星付きレストランは、ブダペスト、台北、サンパウロ、ロンドンなど、世界のさまざまな場所に25軒、100ドル(約1万1,000円)以下の場合は75軒ある。
この中に誰もが憧れるミシュラン三ツ星レストランはあるのだろうか? 残念ながら100ドル以下の店の中には、高級レストランは含まれていないが、Top Dollarでは別途、最も手頃な価格の三ツ星レストラン10軒をまとめている。その結果、1位は台北のLe Palaisで、8コースのセットメニューが138ドル(約1万5,100円)。2位はイタリアのLe Calandre(163ドル=約1万7,900円)、3位はニューヨークのLe Bernardin(175ドル=約1万9,200円)だった。
パンデミックの状況により、2021年版ミシュランガイドの発表が延期された都市もある。そのためTop Dollarのリストは、新店の追加、既存のレストランの再開、メニューの調整などによって変化することが予想される。それでもこのデータは、世界各地の得するレストランを知ることができる情報として、パンデミック以降の旅に重宝するはずだ。
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