Pages

Friday, March 18, 2022

目隠しディナー、視覚障害に共感を 名古屋で「ブラインド・レストラン」 - 中日新聞

ブラインド・レストランの試験実施で、目隠しで視界を遮って食事を体験する学生ら=名古屋市千種区星が丘元町で

ブラインド・レストランの試験実施で、目隠しで視界を遮って食事を体験する学生ら=名古屋市千種区星が丘元町で

 食を楽しみながら視覚障害への理解を深めてもらおうと、視界を遮った状態で料理を味わう「ブラインド・レストラン」が二十三日、名古屋市千種区の星が丘テラス内のレストラン「トド アリトルナレッジ ストア」で開かれる。近くの椙山女学園大の学生らが企画し、予約を受け付けている。 (山本拓海、写真も)

 通常のレストランと異なるのは、来場者が用意された目隠しをして店に入ること。食事を終えるまで目隠しは外せない。学生らの誘導でテーブルに着席後、前菜やメイン料理などが順に出され、視覚以外の感覚を頼りに味わう。食後は参加者らで感想を話す時間を設け、目が見えない人が食事の際に感じる困難や求められる工夫に考えを深める。

 きっかけは大学の授業で、街中のレストランを舞台にした新たな取り組みのアイデアを出し合ったこと。ブラインド・レストランは、四年の笹山理央さん(22)が海外で「素晴らしい体験」「普段の食事とは違った」と好意的に受け止められていることを知り、「日本でかつてないことをやりたい」と提案した。一〜四年生の有志がレストランなどの協力を受けて準備を進めてきた。

 昨年末に行った試験実施では、目隠しをした学生らが案内役に手を引かれて慎重な足取りで席に着き、周りが一切見えない状態で野菜や肉料理を口に運んだ。

 一年の吉原紀乃花さん(19)は「味より食感から入り、頭の中にいろいろな食材が浮かんだ。料理が見えないので箸とフォークのどちらを使おうか悩み、完食したかも分からなかった」と体験を振り返った。

 学生の中心となって準備する笹山さんは「参加者が新たな発見をし、今後の人生でこの経験が役立てばうれしい」と話す。

 二十三日は午後五時と同七時半から二回開き、一人三千八百五十円。七時半の回は定員に達し、五時の回のみ電話=052(753)5147=で予約を受け付ける。視覚障害がある人は地下鉄東山線の星ケ丘駅までの送迎サービスを利用できる。

 開催資金の一部は、クラウドファンディングサイト「キャンプファイヤー」で十八日まで募集中。寄付金額に応じて学生からのお礼メール(五百円)、ブラインド・レストランへの招待券(八千円)などの返礼品がある。

関連キーワード

おすすめ情報

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( 目隠しディナー、視覚障害に共感を 名古屋で「ブラインド・レストラン」 - 中日新聞 )
https://ift.tt/D2h8Efq

No comments:

Post a Comment