ある理由から「究極のSDGs」と話題になっているレストランがある!という情報が、オランダから届きました。聞くところによるとそのお店、「○○しか使わない」レストランだそうですが…?
『サステナ』的にはとっても気になるー!ということで、早速行ってみましょう!
やってきたのは、アムステルダムにあるレストラン『INSTOCK(インストック)』。
オレンジ色を基調として、明るくモダンな雰囲気が漂う店内は、ディナーの時間になるとたくさんのお客さんが訪れ、大変な人気ぶりです。
これほど話題を集めている理由は、その料理に隠されているとのこと。
今できたてのこちらのお皿は、一見何の変哲もない、とってもおいしそうなお肉と野菜の一品です。
しかし実はこれ…、「廃棄されるはずだった食材」からできているんです!
そうこちらINSTOCKは、「廃棄食材しか使わない」レストラン。
「賞味期限が少し過ぎてしまった」「形が悪くて店頭に並べられない」などの理由で「まだ食べられるのに商品にならず廃棄されてしまう」といった食材を使っているんです。
一流のシェフが腕を振るうので、味はもちろん問題なし。むしろその時々で集まる品が違うので、四季折々の料理が楽しめると人気なんです。
メニューは、大抵8週間おきに切り替えているとのこと。たとえば今の時期はレタスがたくさん手に入るので、レタスを使ったメニューをいろいろと考えているそうですよ。
何はともあれ百聞は一口(?)にしかず!「究極のSDGs」料理、まずは実際に味わわせていただきましょう。
こちらは「氷山レタスのロースト」。いったいどんなお味なのか…いただいてみると、かかっているのはオイスターソースのようですね。口に広がるのはカキの味です。こんなレタスは食べたことがありません!とてもおいしいです。
オープンから8年で、廃棄から救った食材はなんと1500トン。店内には、これまで使った食材の総量をカウントして表示しています。
さて、取材を進めていると衝撃の事実が発覚しました。このお店、あと3週間で閉店してしまうらしいのです…!こんなに賑わっているのになぜ閉店してしまうんでしょうか?
INSTOCKはもともと、オランダの大手スーパーマーケットの社員たちが「廃棄食材をなんとかして減らしたい」と提案して実現したもので、レストラン事業と同時に、余った食材を扱う倉庫の運営も行ってきました。
その倉庫からは、今では200以上のレストランに食材を卸していて、INSTOCK以外でも廃棄食材を使う試みが浸透してきているんだそう。これからさらに広がっていくと考えており、今後は倉庫事業や、廃棄食材を使ったレストランを増やしていく活動に力を入れたいとのこと。
お客さんにとって閉店は残念でしょうが、裏を返せば、食品ロスをゼロにする取り組みが波及し仲間が増えているということでもあります。
オランダで広がるこのサステナ、「もったいない精神」を世界に誇る日本でもぜひ期待したいですね!
(レポート:吉田 和充、文:軽部 明香里)
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