家族の一員である犬と一緒にコース料理を味わいたい――。飼い主のそんな要望に応えようと、山武市椎崎の洋食レストラン「ふらんす屋」が、愛犬と一緒に室内で食事ができるドッグルームを新設した。黒毛和牛などを使ったドッグメニューも用意し、愛犬との楽しい食事の時間を提供している。(長原敏夫)
ドッグルームは今月21日、オープンした。ペットと入店できる飲食店が全国各地で増える中、本格レストランも愛犬家を意識したサービスの提供に力を入れている形だ。
フレンチをベースとするふらんす屋は1978年創業で、2013年に八街市内から山武市郊外の現在地に移転した。肉や魚料理をメインとする3000円台~8000円台のコース料理が人気で、森に囲まれた自然豊かな立地も常連客を引きつけている。移転当初から敷地内にドッグランを設け、屋外のテラス席での食事は可能だった。今では、犬を連れてくる客が全体の約3割を占めるという。
ドッグルームは、天候を気にせずに店を利用してほしいとの思いで開設した。突然の雨や猛暑などを理由に、犬との外出をためらう人も少なくないため、犬と飼い主専用の40平方メートルほどの部屋を造った。足元の高さにもガラス窓を設置し、床に座った犬が外の森を眺められるようにしている。
ドッグルームの開設に合わせ、素材にこだわったドッグメニューも新開発した。「わんちゃんプレート」(税込み1540円)は、黒毛和牛と地元野菜のスープ煮に、鳥取大山鶏のささみステーキ、フルーツ入りヨーグルトが付く。ほかにも、県産マーガレットポークを使った料理をメインにした税込み1320円のプレートもある。
一般的な会社員の昼食より高い値段設定になっているが、オーナーシェフの坂本義一さん(72)は「愛犬家にとってわんちゃんは子どもと同じ。この値段なら注文してもらえる」と説明する。
坂本さんの長女で、ドッグランの管理を担当する亜旗子さん(40)は、「愛犬家にとってペットとの時間は一生の思い出になる。気軽なランチはもちろん、記念日や祝い事の際にも利用してほしい」と話している。
月、火曜定休。ドッグルームの利用時間などに関する問い合わせは、ふらんす屋(0475・80・7887)へ。
愛犬と一緒に食事ができるドッグルーム。茨城県から訪れた女性客の姿もあった
犬専用メニューとして提供されている「わんちゃんプレート」
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