障害者に選ぶ楽しさを クイズレストランに多くの客―大阪 - 時事通信ニュース

2023年11月18日13時34分

１日限定でオープンしたクイズ形式のレストランで食事をする客ら＝１５日、大阪府高槻市

　知的障害者や発達障害者にとり、飲食店でメニューを選ぶのは情報量が多く、注文するのが難しいケースがある。そんな課題に少しでも応えようと、クイズでメニューなどを選択するレストランが大阪府高槻市内に１日限定でオープンし、多くの客でにぎわった。保護者からも「子どもが喜んでいる」と好評を集めた。

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　レストランは１５日、既存の料理店内に開設された。客が来店すると、スタッフは「『いらっ○ゃいませ』○に入る言葉は？(1)し(2)ち(3)ぴ」と書かれたボードを見せ、声に出して出題。(3)を選択した客に対し、「いらっぴゃいませ」と大きな声で出迎え、客の笑いを誘った。
　主催者で、障害者への理解を深めるオンライン研修を行う「Ｌｅａｎ　ｏｎ　Ｍｅ」（高槻市）の志村駿介代表は「障害のあるなしにかかわらず楽しめるよう、クイズに間違えても笑えるよう工夫した」と話す。
　客が着席しても、選択肢の絵が描かれたボードと共に飲み物の氷の有無や、ピザやパスタを選ぶ問い掛けが続く。客は「○×」や数字が書いてあるカードなどを従業員に見せ、意思表示をした。
　来年４月に施行される改正障害者差別解消法では、これまで国や自治体に義務付けられていた障害者への「合理的な配慮」が、事業者にも拡大される。志村代表は「今回の取り組みを通じて、『合理的配慮』に関心のある飲食店にモデルを示したい」と意気込む。
　夕食時間帯に開かれたレストランには、障害のある子どもを持つ親子や、子連れの家族など６０人ほどが来店した。知的障害と自閉症がある安里慎太郎さん（２８）の母親は「普段は店の人が本人でなく、親にメニューについて尋ねることが多い。ここは本人に聞いてくれ、自分で選べるのできょうは息子もうれしそう」と笑顔で話した。

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