「エピソードダイニング」とは何か
新宿に、知的障害を持つ人たちが店員として働くカフェレストラン「おんぶらーじゅ」(新宿区弁天町)があります。
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運営しているのは社会福祉法人南風会シャロームみなみ風(同)。2015年の事業開始と同時に、このお店をオープンし、これまで約5年間ランチ営業を行ってきました。
そんな「おんぶらーじゅ」が2020年から、新たに夜のレストラン営業をスタート。このたびオープンした「エピソードダイニング」は、昼営業とはまったく異なる狙いがあると言います。実際にお店を訪れ、取材しました。
価格は周辺の飲食店より少し低め
17時から22時まで営業する「エピソードダイニング」は、東京メトロ東西線の早稲田駅と神楽坂駅のちょうど真ん中あたりにあります。駅から歩いて住宅街に入ると、大きな看板が掲げられたお店が見えてきました。
普段は平日と土曜日は11時から17時まで、日曜日と祝日は11時から15時までの昼営業「おんぶらーじゅ」として営業している同店。
働いているのは自宅や障害を持つ人が共同生活をするグループホームから通勤する、知的障害を持つ人たちです。彼らは看護師や運営側の専門スタッフなどのサポート体制のもと、料理の配膳を行っています。
昼営業では近隣で働く人の来店が多く、1回の営業で40人から50人の来客があると言います。周辺の飲食店より少し安価な設定をしていることもあり、「安いランチを食べたいから」という人もいれば、「スタッフたちに会いたいから」という人もいるとのこと。
ビールを飲みながらピザも食べられる
今回、新たに始めた夜営業「エピソードダイニング」は、外資系広告代理店「I&S BBDO」(中央区晴海)のクリエーティブグループも参画したプロジェクトです。
知的障害を持つ人の考えや日常を気軽に知ってもらえる場を作り、コミュニケーションのきっかけを提供することが目的です。ビールやワインなどのアルコールから、ピザやプレートなどのフード類が提供されます。
店内には話した言葉や日常で起きたエピソード、描いた絵がたくさん飾られていました。ドリンクを乗せるコースターにも、同様のエピソードや絵が載っています。「知的障害を持つ人は、普段こんなことを考えているのか」と彼らを少し知れるだけでなく、目の前で働いている彼らとの会話のとっかかりになる店内デザインとなっていました。
知的障害のある人たちが働く飲食店は、全国的には特に珍しいものではありません。しかし、多くの場合、経営的に難しいハードルがあると言います。
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