新型コロナウイルス対策で、持ち帰りや宅配を除き飲食店の営業が認められていないオーストラリア。国際航空便の多くも停止し、レストランや海外向けの高級食材が行き場を失った。この状況を逆手に取り、生産者や卸売業者は一般家庭向けの新たな販路を開拓している。
主にマグロを扱う北東部クイーンズランド州の水産業者「ウォーカー・シーフーズ・オーストラリア」は、商品の約8割を米国と日本のレストラン向けに輸出してきたが、航空便停止の影響で注文はキャンセルに。国内で卸していた高級レストランは持ち帰りや宅配をしておらず、出荷できない状況に追い込まれた。
国内の大手スーパーチェーン「コールズ」と契約し、複数の店舗で「新鮮な刺し身級」のマグロと銘打って売り出したところ大人気に。ウォーカーの経営者、ハイディ・ウォーカーさんは「10分で売り切れた店舗もあったと聞いた。大量の再注文を受けた」と話す。
シドニーを拠点とする精肉卸業「ビックス・ミート」も、高級レストラン向けの乾燥熟成和牛肉を一般消費者に直接オンライン販売するようになった。シドニー名物のカキ「シドニー・ロックオイスター」の生産業者「イースト33」も、一般消費者への宅配を開始。会長のジェームズ・ガートン氏は「コロナ危機で、むしろ新たな供給網を構築できた」とし、収束後には新たなノウハウを生かしてアジアへの輸出を始める考えだ。(シドニー 共同)
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May 27, 2020 at 03:00AM
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豪、レストラン向け高級食材を家庭に - SankeiBiz
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