2022年03月24日13時00分
【AFP=時事】ウクライナの首都キエフの流行最先端レストラン「チェルノモルカ」。ロシアによるウクライナ侵攻後、店は営業を停止し、今は無料で食事を配布している。(写真は「チェルノモルカ」で、食事を配布する従業員)
水槽の中の多数のカキが、食文化がにぎわっていた時を思い出させる。
チェルノモルカは、食料の入手が困難な人を支援するレストランの一つだ。
「これが私たちにできることだ」と、チェルノモルカの開発部門責任者ドミトロ・コストルビンさん(42)は話す。
ロシアの侵攻により営業停止を余儀なくされるまで、パンケーキのイクラ添えやムール貝のテルミドールなどがメニューに並んでいた。
今は暖かいチキンとライスを、分厚いコートを着込んだ人々に無料で提供している。侵攻後、アルコールの販売が禁止されたため、飲み物はシャンパンではなくオレンジジュースだ。
必要な人に配布できてはいるものの、ロシア軍がキエフを包囲しようとしているため、食料はますます不足し始めている。コストルビンさんによると、受け取りに来るのは高齢者がほとんどだ。
今のところキエフは、マリウポリやハリコフのような窮状には陥っていない。ただ、外出禁止令が出されている間は店の商品は品薄になり、長蛇の列ができることもある。
建設会社の元経理だったミヌアル・バリスベコワさんは、無料配布の知らせをメールで受け取り、運動も兼ねて店に来たと話した。「そうでなければ、一日中家にいておびえていた」と語った。「ボランティアをやりたいと思ったけれど、断られるだろう。74歳だから」
チェルノモルカの食事の無料提供は、全国で飲食店を展開するアレックス・クーパー氏が経営するキエフ・フードマーケットと共同で行っている。
市民だけではなく兵士にも食事の提供を行っている。
フードマーケットに入店する「モロディスト」のマネジャー、パブロ・シェブツォフさんは、これまでに6000食を提供したと話した。
「私たちは料理ができる」「戦闘や治療、武器の使い方は分からないかもしれないが、自分たちにできることをやっている」と語った。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕
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