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Friday, June 5, 2020

東芝、20年3月期 3年ぶり最終赤字1146億円 - 日本経済新聞

東芝は5日、2020年3月期の連結最終損益(米国会計基準)が1146億円の赤字(19年3月期は1兆132億円の黒字)だったと発表した。最終赤字は17年3月期以来3年ぶり。米国の液化天然ガス(LNG)事業の売却損が響いた。21年3月期は新型コロナウイルスの感染が広がる影響を受け、今後は採算の良いインフラ設備の保守サービスに力を入れる。

前期に最終赤字に転落した理由は主に2つ。米国内でLNG開発事業の権益を持っていたが、昨年9月にエネルギー大手の仏トタルに売却して約900億円の営業外損失を計上した。

もう1つは半導体事業だ。40%出資して持ち分法対象のキオクシアホールディングス(HD)が1667億円の最終赤字だった。データセンター投資に伴う需要が一服したうえ、主力のメモリーも販売が低迷した。

一方で営業利益は1304億円と3.7倍に膨らんだ。火力・水力発電所整備などで、不採算事業の縮小・撤退といった構造改革の効果が出ている。

21年3月期の最終損益は500億円の黒字転換を目指すが、キオクシアHDの業績予想を織り込んでいない。連結営業利益は前期比16%減の1100億円になる見通しで、新型コロナの影響が900億円の下押しにつながると試算している。影響は上半期に集中するとみており、自動車向け半導体などの需要が落ち込み、テレワークが広がってオフィス複合機も苦戦する。

5日に電話による記者会見を開いた東芝の車谷暢昭社長兼最高経営責任者(CEO)は「総合電機から脱却して、インフラサービスカンパニーとして企業価値を最大化したい」と述べた。成長戦略として鉄道や水道、電力の施設整備と、データ事業を組み合わせた点検・修理サービスで収益を高める考えを強調する。資産売却などで資金を確保して、24年3月期までに数千億円規模のM&A(合併・買収)を実施する考えも明らかにした。

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