はじめに:「飲食店」という文化は衰退してしまうのか?
2021年1月7日、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大を受けて、二度目の緊急事態宣言が発令された。言うまでもなく、飲食店に関しては「20時までの時短営業(アルコール提供は19時まで)」が要請され、事実上の“ルール”となっていく。
営業自体を自粛した店がほとんどであった2020年春に比べれば、ひとまず店を開けて営業できることは、前回との大きな違いだろう。
しかし、いくら補償金は出るとは言えど、特にディナータイムを主戦場にしてきたレストランにとって、失った数時間はあまりにも重たい。
そして、一年以上続くコロナ禍の中で、飲食店の体力・気力は、おそらく客側から見えている以上に削られ続け、限界を迎えつつあるように感じる。
長い時間をかけて育まれてきた「飲食店」という文化は、このままただ消耗し、衰退していってしまうのだろうか?
・・・
そんな時Twitterを開くと、現代の飲食シーンをけん引するお二方のツイートが飛び込んできた。
今回、お品書きの解説文をいつもより更に大ボリュームでお作りする予定ですので、会話無しでもばっちり間が持てます。またそれにあたり、スタッフの口頭でのご説明は省略とさせていただきます。
— イナダシュンスケインド料理専用サブ垢 (@inamasalasuke) 2021年1月5日
もちろん今回もお一人様からご予約可能です。 https://t.co/263YYIR02W
※上記ツイートは、エリックサウス マサラダイナーが2月28日まで提供していた「晩冬のモダンインディアンコース」について。3月1日以降は「春のモダンインディアンコース」を受付中です。
一人は、『メシ通』でもおなじみ、料理人・飲食店プロデューサーの稲田俊輔さん。
総料理長を務める南インド料理店「エリックサウス」のプロデュースや、チェーン店の魅力を解き明かす名著『人気飲食チェーンの本当のスゴさがわかる本』(扶桑社新書)でご存知の方も多いだろう。Web上ではイナダシュンスケ名義で「食」に関する思考の奇跡を日々アウトプットし続ける、飲食界の“知の巨人”のような人物だ。
上記のツイートの通り、東京・神宮前の「エリックサウス マサラダイナー」では、コースのスタートを早々に15時から切り替えただけでなく、“安心”と“エンタメ”を両立したとある感染防止策を打ち出して見せた。
そして、もう一人がこちらの方。
緊急事態宣言を受けて、僕らなりの考えをまとめました
レストランのあり方はどうあるべきか
皆さまに喜んでもらい続けなければ、料理人でいられないと思っています
贅沢な新しい時間の使い方を提案します
— 鳥羽 周作 (@pirlo05050505) 2021年1月7日
よろしくお願い申し上げます。 pic.twitter.com/rdLcmGZpiI
代々木上原のレストラン「sio」のオーナーシェフとして、今やテレビやWebメディアにも引っ張りだこの鳥羽周作さん。
料理人としての腕は当然のこと、SNSを使いこなすビジネスマン的な経営手腕、そしてマグマのように湧き出るエネルギーで「レストラン」というプラットフォームを拡張させていく、飲食シーンの革命児だ。
緊急事態宣言を受けてわずか数日、鳥羽さんが提案したのが、上記の「#朝(昼)ディナー」。予約を開始するやいなや、即日受付終了……と大反響を呼んでいるという。
・・・
逆境を物ともせず、画期的なアイデアを凄まじいスピード感で実現していくお二方。その姿を見ていると、飲食従事者はもちろん、そうでない人でもコロナ禍を乗り越えるための希望が湧いてくるのではないだろうか。
そこで、稲田さん・鳥羽さんに加え、お二方と縁のあるフードライター・小石原はるかさんに司会進行役として参加いただき、緊急座談会を開催した。
テーマはずばり、「コロナ禍で生き残るレストラン」についてだ。
※この記事は、2021年1月20日に実施したオンライン座談会に、編集を加えています。
「#朝ディナー」と「8千字コース解説」
(編集部)──みなさん、今日は忙しい中お集まりいただき、本当にありがとうございます。
小石原さん(以下、敬称略):まずですね、2回目の緊急事態宣言(2021年1月7日)を受けて、お二方のお店の、今日現在の状況を教えていただいてもいいですか?
鳥羽さん(以下、敬称略):僕は今3店舗やっていて、代々木上原の「sio」に関しては朝・昼・晩の3部制で、基本1営業につきお客さま10名ずつなんですけど、3月7日までは全日予約で満席をいただいている状況で。
丸の内の「o/sio」は人通りも少なく、売上はいつもの50%ぐらいです。なかなか厳しいんですけど、スタッフには空いた時間で「sio」のヘルプに回ってもらっていて。
渋谷にある「純洋食とスイーツ パーラー大箸」は、もともと夜の需要がそんなにある店じゃなくて、テイクアウトと昼営業でほぼほぼ100%。売上はあんまり落ちてもいないし変わってもいない、むしろ補助金が下りてちょっと増えてるって感じですね。
▲「sio」(東京・代々木上原)〈写真提供:sio株式会社〉
小石原:「#朝(昼)ディナー」(以下、朝ディナー)はいろいろなメディアで取り上げられて、相当反響が大きかったと思うんですが……予想のレベルでしたか?
鳥羽:良い意味での反響は予想通りなんですけど、思ったより批判的な人もいたのが最初はちょっと予想外だったんです。
批判はだいたい「そもそも『朝ディナー』って言葉として間違ってんじゃん」「夜がダメだから朝がいいとかそういう問題じゃないだろ」「朝やって満席になってんだから意味ない」っていう3パターンですね。後ろの2つはものすごく正論だったんで、一個一個丁寧にリプライを返して説明したり、自分たちで発信したりする中で、批判的だった人も味方になってくれつつあり。
朝ディナーは、単純に需要があるから今回始めたんで、ウィズコロナ・アフターコロナの選択肢の一つという意味で、今後どんどん追い風が出て伸びていく気がしていますね。
小石原:稲田さんはいかがでしょうか?
稲田さん(以下、敬称略):まあ正直大打撃を受けていますけれども、「エリックサウス」に関して言えば、店によって業態とか客層の違いがあるので、意外と差はありますね。全般的に言うと、ランチはもちろん凹んでいますが、凹み幅はさほどではなく。しかし、ディナーが大打撃という部分は当然ながらあります。
そこで、今までは15時で一回閉めて、17時半にまた営業開始してた店舗でも、通し営業にしてアイドルタイムに少しでも集客をする。ディナーのコース料理主体でやっていた「エリックサウス マサラダイナー」に関しては、コースのスタート時間を早めて、さらにランチタイムにもコースの予約を受ける形で、時間を延長して対応しています。
▲「エリックサウス マサラダイナー」(東京・神宮前)〈写真提供:株式会社円相フードサービス〉
稲田:あと、割と反響が大きくて面白かったのは、コース料理の“お品書き”ですね。うちはあくまでカジュアルな店で、スタッフ全員が専門的な料理の説明をするのは難しいこともあり、「本日のコース」の説明がびっしり書かれたA4の紙をお渡しして読んでいただく、ということを以前からやっていたんです。
……が、今までA4用紙1枚で基本6品をまとめていたものを、今回A4用紙4枚に行間なしでびっちりと、8,000字くらいのお品書きを書きまして。
会話無しでも間がもてちゃうといいよね、という気軽な発想で思いついた今回のコースの料理解説超ロングバージョン。
— イナダシュンスケインド料理専用サブ垢 (@inamasalasuke) 2021年1月8日
書き始めたら改めてえらいこと始めちゃったな、と。
A4サイズ2枚で納めるつもりがとてもそれでは収まりそうにないです(収めろよ pic.twitter.com/fcKgUxLBcW
もちろん、お客さまがそれを隅から隅まで全部読んでくれるとも思っていないんですが、エッセイ3本くらいの内容のお品書きを読んでもらえば、会話なしでも間を持たせることができますよ、という。
それと、もともと発信していた「お一人さまでも気軽にコース料理をご利用できます(むしろ推奨しています)」っていうメッセージを改めてアピールしています。
本を読みながら召し上がっていただいてもいいですし、イヤフォンをして動画を観ながら楽しんでいただいてもいいですし、「みなさまそれぞれの考え方に合わせて、うちをどういうふうにでも使ってください」と、とにかく自由度の高い楽しみ方ができる店であることを改めて提示したところ、非常に面白がっていただけた感触があります。
“お一人さま”をめぐる、大きな誤解
▲同店で2月28日まで提供していた「晩冬のモダンインディアンコース」の一部(5,500円)〈写真撮影:筆者〉
──とはいえ、「一人で食事なんてして何が楽しいの?」という方も、まだまだたくさんいらっしゃるじゃないですか。いわゆる“孤独のグルメ”的市場って、まだまだ開拓できる余地があるのでしょうか?
稲田:そうですね。まずはSNSでアピールしたところ、「一人でコース料理を食べたいと思っていたけど、イタリアンやフレンチは受け入れてもらえないからありがたい」っていう、ちょっと意外な反応があって。
でもそんなことないんですよ。もちろん2名以上しか受け付けていないお店もありますけれども、そうじゃないお店の方が絶対数としてはたぶん多くて。店としては、お一人で予約を入れてもらってもウェルカムなんですけど、お客さまの方は歓迎されていることを知らない、みたいな。
それに近い話で、「イタリアンやフレンチだとワインを飲まなきゃいけない雰囲気だから、下戸の自分は行きづらい。インド料理だとその強制力みたいなものがないからありがたい」みたいな方もすごく多くいらっしゃって。
もちろんそう言っていただけるのはうれしいんですけど、お客さまの方が変に警戒して「フレンチだからワイン飲まなきゃいけない」と思い込んでしまっている部分も少なからずあって、それはお互い非常に不幸だな、と感じることがあります。
鳥羽:その通りですよね。“お一人さま”に対しての食事の付加価値を、もう少しきめ細かく丁寧に提案した方がいいかもしれません。
うちの会社は「とにかくお客さまが求めているものに対して優しくアプローチする」っていうのを基本として徹底しているので、「sio」の朝ディナーはお一人さまの方がむしろ多いくらいなんです。
ただ、確かにレストランって1名での予約をあまりとらないところもあるし、当然お店ごとに考え方の違いはあるだろうなとは感じています。
▲「sio」で提供中の朝ディナー全8皿(7,260円 ※サービス料込)〈写真提供:sio株式会社〉
小石原:私は一人でどこにでも行ってしまうので、今のはちょっと自分自身には当てはまらないんですけど、その反応はなるほどな、と思います。
そういえば最近、“お一人さま”をターゲットにしたムックが出ていて、なるほどこういう切り口もあるよね、と。そこは私たちメディア側の人にも、もう少しやれることがあるのかなと思いますね。
感染対策と集客は両立できるか
小石原:飲食店側としては、もちろんお店に来てほしいし、集客をしないとお店がなくなってしまうんですけど、一方で今この状況が難しいのは、やっぱり感染防止策とパラレルで回していかなくちゃいけないというところだと思うんです。
お二人は、現段階での最善策はどういう形になると思われますか?
稲田:そうですね。「常識的なレベルでの感染対策は、やれること全てをやっています」っていう、当たり前ですけどまずはそこですね。
ただ、単にやるだけじゃなくて「やってます」アピールみたいなことは、ちょっといやらしいけど必要だと思っていまして。入店されたときのアルコール消毒や検温、席間のパーテーションみたいなものは当然として、例えば換気ですね。
もう寒くなるのは承知というか、寒く感じるぐらいの方が伝わるという考えで。店舗って、自分たちも知らなかった通風口とか、開かないと思っていた窓がボタンを操作したら開いたみたいなのが探せば意外とあるんで、徹底的にそれを見つけて、環境を整えた上で各席にブランケットを置いておく、みたいな感じですね。
やっぱりリスクをゼロにすることは不可能なので、われわれお迎えする側もお客さまも、「どっかで割り切らなきゃもうどこにも行けない」って話なので。その中でわかりやすく安心感を与えるというところですかね、最低限度やれることとしては。
……もちろん、この時期無理に「店に来てくれ」とは言いません。ですが、おいしいものを食べる楽しみは、われわれも諦めてほしくはない。密になりにくいアイドルタイムに来ていただいてもいいですし、テイクアウトでパパッと商品だけ買って帰ってもいいですし、お家にいながら通販を使っていただいてもいいですし、もうそれすらダメな場合は、僕が出したレシピ本に沿って作ってもらったら、まあまあお店の料理に近いものができますよ、と。
──手段はもう、なんでもいいから。
稲田:そうです、手段は問わないので。それぞれのチャンネルごとに利益率とか収益は全然違ってくるんですけど、いったんそこは「もうしょうがない」と目をつむることにして、どういう形でもいいからうちのコンテンツを生活の幸せに繋げてほしい。
「『エリックサウスの料理を食べる』っていう楽しみを諦めないでください」といったメッセージは出し続けている、という感じですね。
鳥羽:発信の仕方で言うと、レストラン側がお客さまにどれだけ自分たちのやっていることを届けきれているかというのが、めちゃくちゃ大事だと思っていて。うちの会社は社員が25人いて、Twitterのフォロワー数が全員合わせて13万人くらいいるんです。そこが圧倒的に強いんですよ。
noteも活用して、いろいろ僕らのスタンスを表明しているんですけど、そうやって発信力を上げていくのは飲食店にとって重要だと感じています。
正解を握っているのは“お客さま”だけ
小石原:お二人の発信の仕方は、ある意味似ていますよね。鳥羽さんがnoteでレシピを提供している「#おうちでsio」も、稲田さんが今おっしゃった話とすごく通じますし。
“損して得取れ”っていう言葉が当てはまるのかわからないですけど、「来店は多少難しくても、お互いに得られるものがあること」を提案していらっしゃる。
鳥羽:稲田さんと同じで、自分たちのファンであるお客さまが喜んでもらえるなら、どのチャンネルでも「まずはやる」っていうのが基本です。
その結果「#おうちでsio」のレシピ本を作って、「こんなにおいしかったんだ」「お店はもっとおいしいね」って答え合わせに来る人が増えたし、YouTubeチャンネルを見て「鳥羽さんめちゃくちゃ面白いから行ってみよう」って人も増えたし。
鳥羽:僕らがコロナ禍で言ってきたのは、こういうキツい時こそ自分たちの利益じゃなくて、まず「お客さまを大事にできるかどうか」っていうところ。
お客さまがいて、僕らが料理を作って、対価をもらうっていう、「飲食店」のあり方の根源的な部分に答えがあるような気がして。お客さまが求めているものを提供できないとそもそもお金にならないし、僕らの仕事の存在意義もない。正解はお客さまにしかないんですよ。
だから、「飲食店ばかり大変だ」っていう愚痴は、絶対プラスにならない。それはすなわち、そもそものベクトルがお客さまじゃなくて自分たちの方ばっかり向いている状態なんで。
やっぱり辛いときこそ、通販でもいいしテイクアウトでもなんでもいいんで、とにかく「お客さまのために料理を作る」っていう飲食の原点まで立ち返らないと、絶対応援されないですよ。
稲田:僕は一つ開き直ったことがあって。愚痴はダメだけど、もう“お願い”はしようと。
鳥羽:それはいいですね。
稲田:時にはSNSに「お店ヤバいんで通販だけでも買ってください」って平気で書いたり。ここぞっていう時に「気が向いたら、うちが潰れないようにちょっとだけ協力してください」みたいなことは、素直に言うようになりました。
──お店がいきなり「閉店します」ってなると、すごく悲しくなっちゃうんですよ。だから「本当に厳しいんです、助けてください」って言ってくれるだけでも、お客側としてはうれしいんですよね。
稲田:そうなんですよね。だから以前にTwitterでちょっと流行った「発注しすぎてしまったので買ってください」とかも、批判する人もいるけど割りかし好意的に受け入れられるわけですよね。
そういうのは程度の問題ですけど、やっぱりやった方がいいし。プライドか何かわからないけど、閉店するまであたかも普段と変わらないような様子で振る舞って、それである日いきなりお店がなくなるみたいなのは、もう本当に誰も得しない話なんで。
そういうSOSはみんな出せばいいし、全員が助かるわけじゃないけどそこから誰かは助かる。最後の手段ですけど。
賢人流・メンタルコントロール術
──お二人はこの苦しい状況の中、どうやってポジティブなマインドに切り替えていったんですか?
稲田:僕はもうある意味、開き直った部分はあります。最悪のケースとして会社が潰れて、店舗を手放さなければいけなくなる。もちろん、それを全力で避けるためにできることはすべてやるとして、そうなったとしてもお店があったことは誰かの記憶に残るし、スタッフ全員にノウハウの蓄積が残る。
となると、そこにもうネガティブ要素はなくなりますよね。「こういう状況下だからこそ楽しめる」って言うと不謹慎ですけど、厳しい状況下でやれることをやったら、それが不謹慎だろうとなんだろうとやっぱり楽しいわけですよ。
で、自分たち一番楽しいことをやれば、その楽しさはお客さまにも伝わるだろうという、そういう開き直りですね。
小石原:コーラを作っていらっしゃるのが楽しそうだなと思いました。
ようやくできました、完成版エリックコーラ!
— イナダシュンスケインド料理専用サブ垢 (@inamasalasuke) 2021年1月9日
完全にブームに乗り遅れた気はするけど… pic.twitter.com/2Xp42nioCg
稲田:おいしいですよ〜! あれも別にたいしたことじゃないんですよね。コーラを作るなんて今やみんなやってることなんだけど、ちょっとでも仕事に楽しいことがあればそれを共有しよう、というか。
小石原:鳥羽さんも同じようなお考えですか?
鳥羽:僕はどっちかっていうと、「料理人であり続けるためには何をすべきか」っていうことを考えていて。料理人であり続けるために、どうしても店舗がなきゃいけないかというと、もはやそういう話ではないんですよ。
稲田さんと一緒で、そもそも店が潰れることを恐れていない。もうコロナ禍の初期から「店が潰れても別に俺たちは死なない」みたいに言っていたんで。なくなったら別にまた1から始めればいいし、それよりも自分が料理人として志してきたものが変わってしまうことや、お客さまにサービスができなくなることの方が怖くて。
だから、あくまでも料理っていうのはツールで、それを通してお客さまに何を伝えたいかって話なので、割とネガティブな感じじゃなくて。レシピを公開しておいしいと思ってもらうのも悪いことじゃないし、料理人であるためにやれることをやればいいかな、って思います。
小石原:スタッフのみなさんにも、そういった意思共有はできていました?
鳥羽:僕らの会社のミッションって“幸せの分母を増やす”、それしかないんですよ。だから〈メディアに出る/出ない〉も〈朝・昼ディナーをやる/やらない〉も、「(これをやることで)幸せの分母が増えますか?」っていうのを社内のスレッドで聞くんです。
そこで「増えます」となったら、「じゃあやりましょう」っていうだけなんで、判断基準がすごくシンプルなんですよ。だからそれに対して不満を言う人がすごく少ないし、スピードも早いんです。
先日も“幸せの分母を増やす”ため、「sioのテイクアウトはなんで売れるのか」っていうのを全部オープンソース化して、noteで公開したんです。
一般のお客さま向けには「#おうちでsio」っていうのをやったんで、今度は「#飲食店にsio」って感じで。 僕らができることはどんどん先手を打ってやっていくっていうのを、めちゃくちゃ大事にしているんですよ。
小石原:先手必勝ですね。
鳥羽:その辺のスピード感と、“幸せの分母を増やす”っていうわかりやすいミッションが、うちの会社の強みなのかなと思いますね。
チャンスを逃さない“いやらしさ”とは
小石原:お互いのお店以外で、今回の緊急事態宣言を受けて「これはいいな」って思った飲食店側のアイデアやアクションってありますか?
稲田:正直、他でこれという動きを見かけなかったんですよね。まあ僕はあんまり世間を知らないですけど、知っている範囲で言うとそういう取り組みをされているのって、鳥羽さんしか存じ上げなかったんで。
だからまた不謹慎な発言になりますけど、誰もアクションをしていなかったから「これはチャンスかも」って思いましたよね。
鳥羽:すごくわかります。
稲田:ですよね! 「なんでみんな何もやらないんだろう?」って。
鳥羽:そもそもうちの会社って、「比べない」「競わない」っていうのを目標にしているんで、あまり他のところを見たりとかしないですよね。それよりも先に、自分たちの中で最適解が見つかるケースの方が多いんで。
だから稲田さんと一緒で、「このタイミングで朝ディナーとか始めるお店があったら、自分だったら絶対行くな」って思っちゃいました。
稲田:自分で言うのもアレですけど、そういう“いやらしさ”って大事ですよね。
鳥羽:お客さまがそれを求めていれば、それがお店の利益になる。それだけの話なんですね。
稲田:朝ディナーとか、「真似しづらい」っていう気持ちもわかりますけど、やっぱりするべきですよね、本当は。
スピード感は「好き」の度合いで決まる
鳥羽:あと単純に、「本当に飲食が好きかどうか」っていうのが問われますよね。
俺、(この仕事が)めちゃくちゃ好きなんですよ。本当にお客さまのことが好きで喜んでもらいたいから、朝ディナーも全部専用のメニューを作ったんです。夜のコースをそのまま朝のコースにするのではなく、朝だからこそレストランで食べたい料理を考え抜きました。
そこまでやりきれるかどうかは、最終的に「好き」の度合いに比例するんで、そもそものベースとして超大事だと思いますね。
そうでないと稲田さんが言う“いやらしさ”って出てこないじゃないですか。
稲田:おっしゃる通り、やっぱりチャンスを逃さないスピード感って、好きで楽しんでいないと出てこない気がしました。やらされていたり、危機感を感じて「何とかしなきゃ」じゃなくて、「こういう状況だから、こうやったらもっと楽しい」というか、自然と体が動くみたいなところはありますね。
鳥羽:……結局、答えって出てるんですよ! お客さまに料理作って食べてもらうことがとことん好きな人が残って、中途半端では続けられない。それしかないですよね。
稲田:好きでやっているからこそのスピード感って、お客さまは敏感に感じとる気がしますね。だからコロナの状況が変わって、緊急事態宣言に対してもとりあえずTwitterで何かアクションを起こしたら、「さすが対応が早い」みたいなポジティブな反応が必ずいただける。そこはもう本当に、躊躇しているところじゃないですね。
レストランの活躍の場を広げていく
小石原:鳥羽さんは別のインタビューで、「少なくとも向こう1年から1年半は、レストランという場所に価値がなくなるのではないか」という発言をされていました。“ルールの厳しいゲーム”を戦った先の、未来像をお話いただきたいんですけれども。
鳥羽:「レストラン」という“場所自体の価値”は下がる一方で、あくまでも“レストラン体験”っていうところに価値がついてくるはずなので、ハコだけの話ではなくなってくるって思っているんですよね。
レストランの体験価値を、ECサイトにもテイクアウトにもレシピにも作っていく方が、新しい提案だったり、人を感動させ続けることができるはずなんで。
──当たり前ですけど、料理だけでなくビジネスとかITとかの知見もますます必要になってくるということですよね。
鳥羽:そういう分野に対してアンテナを張りつつ、いろんな業種の人たちとチームを作りながらレストランの活躍の場を広げていく形になると思いますね。
変な話、今後は料理がおいしいのは当たり前で、「届ける」ことに力を割いてチャンネルを増やした方が、生き残れる確率が高いんじゃないかなと思います。
noteも僕個人だったり広報が書いてたりするんですけど、基本的に全部僕が記事を全部チェックして、編集もやっているんで。「タイトルはこっちの方がいい」みたいなところに料理よりも時間を割いているくらい。
飲食業にこそ必要な「言語力」
▲朝ディナーより、“馬肉のタルタル”〈写真提供:sio株式会社〉
小石原:「朝ディナー」もネーミングがいいですよね。キャッチーじゃないですか。
稲田:言葉の魔術だと思いますよね。
鳥羽:そこはめちゃくちゃ大事にしていて、テイクアウトの「HEY!バインミー」が1日300個売れるようになったのも、「チキントーバーライス」っていうオリジナルのライスがたくさんツイートされているのも、きっと名前の妙なんですよ。
今回の「朝ディナー」っていうのも最初はTwitterに投げて、すごい勢いで反応があったから「これ行けるな、じゃあやろう」って感じで。もっと言うと「#朝ディナー」で検索できるように、ハッシュタグをつけやすい名前にしたりとか。
稲田:鳥羽さんの単語単位でキャッチーなものを出すコピーライター的なスキルって、なんかちょっと異常だと思うんですよね。個人的な興味なんですけど、そういう切れ味鋭い言語感覚というのは、飲食の仕事を始められる以前からの持ち味だったんでしょうか?
鳥羽:飲食を始めて、それこそ稲田さんみたいな猛者の方とお話する中で「あ、そういうことか!」ってインプットしたことを次の瞬間から自分が知っていたかのようにアウトプットして、自分に馴染ませてきたからですかね。
あとは、とにかく店の中でもメールでも「このワードどう?」とか“壁打ち”を毎日異常なくらいやっているので、その中から良いものを拾ってくる感じです。
稲田:壁打ちの練習場としても、Twitterは最高ですよね。
小石原:稲田さんもTwitter巧者でいらっしゃるイメージが強くて。ただ、Twitterって使いこなせる人が結構限られている印象もあるんですよね。文脈を読み取ってもらえないと炎上しちゃったりとか。その辺り、良いアドバイスってありますか?
稲田:い〜や〜、アドバイスなんかできないですけどね。う〜ん……ぶっちゃけTwitterに必要なものは“言語力”ですよね。
鳥羽:確かに! 140文字以内でどれだけ言語化してわかりやすく伝えるかっていうところがあるんで。Twitterって、自分たちのスタンスだったり思いとかを、お客さまへ直に伝えてやりとりする場なんですよね。
稲田:しかも炎上しないように、いろんな人の顔を思い浮かべながら、その隙間を縫うように。Facebookみたいにどちらかというとコミュニティを築き上げていくものとは違って、TwitterはSNSの中でも一番広がりがあるというか、天井がないイメージがありますので、そこは圧倒的に魅力ですね。
コロナ禍で飲食店が取り戻すもの
稲田:これは自分の反省も含めてなんですけれども、コロナの影響下でご存知の通りいわゆる「宴会」とか「会食」みたいなものが激減したわけです。
うちの会社で展開している中でも、例えばカジュアルダイニング系のビストロを、これまでどういう理念で運営していたかって言うと、つまりこういう感じだったんです。
“90席規模のカジュアルダイニングならば、その店の経営を成り立たせているのは宴会である”
と。
フリードリンクが付いて5〜6,000円の、会社の大口の宴会みたいなところで利益を出して、お店の料理を純粋に楽しみに来る個人客に還元する。といった思想の元でやっていて、これが正義であると疑ったこともなかったんですよね。
ところが、この状況になって宴会や会食がなくなったわけで、純粋に楽しみに来てくれる個人客にそれを還元することができなくなり、そのモデルは一瞬のうちに崩壊してしまった。
で、同時にですね、それが大バコのカジュアルダイニングだけの話かと思っていたら、それまでは予約をとるのも大変だったフレンチやイタリアン、割烹とかも、やっぱり同じように「今日は1組しか来ませんでした」みたいな状況だったんですね。そこで気付いたんです、そういうお店であっても“本当にそのお店の料理だけが目的で来ている人”って、たぶん少ないんだ、と。
──というと……?
稲田:残酷な話ですが、デートで使っても彼女に「いい店」って褒められるみたいなところであったり、接待であったり、対面のためにお店を予約していた方というのが、思っていた以上に多かったんだと。
それまで予約が取れないくらいに来ていた人たちが、実はその店に心から行きたかったわけじゃなく、デートのために仕方なくだった、みたいな。
これはもう半分笑い話なんですけど、ある会社の男性陣がですね、「コロナのおかげでわざわざ彼女のためにレストランを予約しなくてよくなった」「彼女との食事は近所のラーメン屋とか焼肉屋で済むようになったからうれしい」みたいなことを言っていたそうなんです。
彼らはたしかに予約の取れないお店でもなんとか予約を取ってきたんだけど、「そこの料理を楽しむためにがんばっていたわけじゃなかった」みたいことが、いろんなところで見えてきて。
小石原:なるほど……。
稲田:要するに、改めて飲食店って「おいしいものを食べに行く」っていう部分と、社会的なステータスやデートといった「人付き合いのために行く」っていう、この二つの要素で成り立っているということを感じたんですね。
そして後者がダメになると、結局これからは「あそこの料理が食べたい」「あの店のシェフに会いたい」「ただ自分がお店の空間に身を置きたい」っていう、ある種ものすごくエゴイスティックな欲望に支えられる部分で、飲食店は真価を問われるんですね。
そうした、本能にダイレクトに訴えかけていくことをしたところが生き残るんだろうなという実感を、非常に強く持っています。
鳥羽:これからは見栄が通用しなくなるしそんな余裕もなくなってくるから、限られた食事は本当に行きたいところにしか行かない、ってことですよね。
だからこそ、きちんとお客さまとの関係を作ってきたところは今も応援されてるだろうし、また新しいお客さまも増えていくと思います。
飲食の本質って、承認欲求じゃないんですよね、「お客さまが喜ぶからおいしいものを作る」っていう、奉仕の話であって。
小石原:今こそ本質に立ち返る感じですね。
そしてエンタメやカルチャーへ
▲「晩冬のモダンインディアンコース」より、“本日の鮮魚マサラローストと個性的な五種のコンディメンツ”〈写真撮影:筆者〉
稲田:僕が思うのは、非情にもこのコロナ禍で「飲食」が純粋なエンターテインメントになっていくという感覚があって。
要するに、音楽を購入したり、本を購入したり、映画を見に行くというのは、人付き合いのためにやってるわけじゃなくって、自分が欲しいからお金を出すものですよね。それがエンターテインメントじゃないですか。
もちろん飲食もその一つだったんだけど、コロナ禍で飲食に占めるエンターテインメントの割合って、実は少なかったことがはっきりとした。だからこれからは、音楽とか文学と美術とかと同じような、純粋なエンターテインメントみたいな方向を目指さないといけないし、逆に言えばそういうものと肩を並べられるチャンスでもありますね。
鳥羽:もうスタンプラリーの時代は終わったんですね。「予約の取れないレストランに行ってきた」とか、そうじゃなくて。お客さまとの関係が変わったことにレストラン側が気付かないと、これからは難しいかもしれない。
──稲田さんが今おっしゃっていたエンターテインメントは、カルチャーとも言い換えられますか?
稲田:そうですね、おっしゃる通りです。だからようやく飲食が単なる欲望充足産業ではなく、カルチャーとして認められるチャンスだと思いますし……。
鳥羽:もっとお客さまを喜ばせるための方法は、稲田さんが言っていた通り料理以外にも音楽だったり空間だったり、スタッフの人柄とかトークも含めてたくさんあるんですよね。
純粋に「お客さまを喜ばせるためにやれることをやろう」っていう人が増えると、そこには自然とカルチャーが必要になってくるってことなのかな、と思います。
小石原:スタッフ一人一人の魅力みたいなものも、今後はよりむき出しになってきますね。
鳥羽:だからもう、飲食業界みんなでどうこうしようっていう時代じゃなくなってくると思います。それが悪いとかじゃなくて、みんながそれぞれ“個”でがんばった結合体が飲食店になるのであって。
小石原:横並びでやることじゃない、と。
稲田:お客さまを回し合うみたいな発想じゃなくって、それぞれがお客さまを獲得しましょうよ、みたいな。
鳥羽:だから自分たちにはなかったところに進んで、新たなお客さまを獲得していく方が、実は飲食店にとって大事な気がしますね。
僕らが社内で共有しているのは、営業時間っていうものを“点”よりも“面”で捉えるということなんですよ。営業稼働率をどういうふうに上げていくかで考えると、24時まで働いていたのが20時で終わり、そ空白の4時間をどこにくっつけていくかっていうところで、朝ディナーが出てきたわけです。
そういう意味では、朝ディナーって僕らなりに考えた新しい“面”の取り方、新しいお客さまの増やし方だと思うんですよね。
「朝カレー」&「朝インド」の可能性
▲「#ととのえるカレー」(1,200円)〈写真撮影:筆者〉
小石原:朝といえば、丸の内の「o/sio」で始まった「#ととのえるカレー(以下、朝カレー)」、今日食べに行ってきました! さらりとしていておいしかったです。おせち風のおかずがあれこれ入っているのが面白いと思いました。
【朝から #ととのえるカレー はじめます】
明日から丸の内 o/sioは朝昼営業となります2月7日までの緊急事態宣言期間内は毎日
7:00-10:30(LO10:00) 朝カレー ¥1,200
11:00-15:00(LO14:30) ランチ営業
※土曜は11:30オープンやさしいカレーで体もこころもととのえて、
— 仕掛け人 シーシー亭 オリマンジャパン from sioの編集者 (@oritaku0123) 2021年1月17日
心地よい一日のスタートを☀ pic.twitter.com/b92m2fFeTm
鳥羽:うれしい、超ヤバいですよね! ルーを使っていないから重たくないのと、十六穀米やおばんざい、和出汁も少しだけ入れて、和の雰囲気を出しながらもカレーらしさは守っていて。食べるとなんとなく朝から調子良くなる。
7時過ぎに来て8時に食べ終わっても「これから1日が始まる」という時間軸もすごく良くて。
小石原:朝カレーは、マンパワーさえあれば宣言後も続けられますよね?
鳥羽:もうすでにやる感じですね。「(お一人さまでも利用しやすいから)ソーシャルディスタンスが取りやすい」「滞在時間は約20分」「朝から体をととのえる」っていう文脈が全部揃っているんで、やり方次第で間違いなく広まっていくと思いますね。一つのムーブメントにしたいんで、きちっと形として根付くまでやりたいと思っています。
小石原:稲田さんは今何か仕込んでいることとか、これからやろうと思っていることってあったりしますか?
稲田:はい、実はこの流れで言うのもなんですけど、「エリックサウス」も朝営業は何とかしてやれる方法があれば……。
“インドの朝ごはん”って、インド料理のある種象徴的な部分というかコアな部分が詰まっているんです。南インドで言えば「ドーサ」や「ワダ」などの伝統的なローカル食ですね。
鳥羽:朝からインド料理って良いなあ〜! 絶対体調ととのいますよね。「薬膳インド」とかすげえ売れそうです。
稲田:朝ごはんにもぴったりですし、絶対元気になるんで。テンション上がるのは間違いないです。
イベントではこれまでもやっていて、やっぱり超楽しくて1回ならずとも、と考えていたんですけど、スタッフの労働時間とかもネックになるのでビジネスベースには乗らないと思っていて。
でも今日鳥羽さんのお話を伺って少し反省したところがありまして。スタッフの雇用を守るという意味でも、また考えてみたいなと。
──コロナ禍での「新しい生活様式」として、朝型を選ぶ人は確実に増えていますよね。
鳥羽:時代は朝なんですよ。実際、ダイエットしている人とか意識高い人とか筋トレしている人とかは朝型のサイクルに向かってる人が特に多いから、一つの生活様式の提案としてはすごく価値があると思います。
稲田:自分もそうですけど、実際朝型生活にシフトしましたからね。普段、東京出張の時はビジネスホテルに泊まって、今まで朝ごはんなんて食べたことなかったんですけど、ホテルのビュッフェで朝ごはんを食べていると、なんとなくこの夜の短縮営業で満たされていなかった何かが、結構満たされる感覚があって。
生活パターン自体がもう変わっていくって前提で考えた方がいいですよね。 確実にみんな早寝早起きになってるんで。
鳥羽:会議とかも、重たい話は朝の早い時間に済ませる人が増えてきてるし。だから朝イベントとかもいいかも。
小石原:たしかに今まで朝のイベントはなかった。
鳥羽:朝ブーム作りますよ。
おわりに:コロナ禍とは“ルールの厳しいゲーム”だ
──そろそろ、今回のまとめに入りましょう。
鳥羽:結局、「お客さまへの愛」と「想像力」ですよね。加えて「そのベクトルがお客さまに向いている」、この3つが重なれば絶対に人は来る。
稲田:それに「自分が楽しんでいるアピール」です。
鳥羽:あと「ルールを破らない」。
稲田:制約というか、“ルールの厳しいゲーム”を楽しんでいるって思わないと。
鳥羽:それ、まさに“クリエイター”ですね! ルールを嘆くんじゃなく、制限の中でアイデアを出して人を感動させるっていうのが、クリエイターの仕事なんですよ。
小石原:「愛」「想像力」、その「ベクトル」。プラス「ルールを守って楽しめているか」。割と前半で結論が出ていた感じでしたね。
稲田:今日は鳥羽さんとお話しするのを楽しみにしていたので、本当に楽しかったです。エネルギーがすごい。なんかもうお体の周りにオーラが……赤い炎が燃えている感じがします。
鳥羽:稲田さんの話を聞いて、結局根本はお互い「やっぱり料理が好きなんだな」って思いましたね。僕もこんなに好きじゃなかったら、やれ「バインミーだ」「朝カレーだ」なんてやらないですよ。
たぶん稲田さんと僕は、戦っている場所が飲食業界の中ではちょっと違うところにいるんだと思います。でもこれからはこれが主流になってくる気がしますね。
稲田:僕もそうなった方がいいんじゃないかなくらいに思っています。でも、ここが主戦場になると乗り切れない人たちも出てくるんで、いろんな戦い方がある中での、一つのやり方としてすごくありだとは思いますね。
鳥羽:結局言ってることはめっちゃシンプルで。……今回これ、お金とっていいやつじゃないですか? コロナ禍を乗り切るためのヒントが今日の話に詰まってますよ!
──『メシ通』は完全無料です(笑)。みなさん、今日は本当にありがとうございました!!
【プロフィール】
稲田俊輔
鹿児島県生まれ。関東・東海圏を中心に和食店、ビストロ、インド料理など幅広いジャンルの飲食店25店舗(海外はベトナムにも出店)を経営する円相フードサービス・専務取締役。全店のメニュー監修やレシピ開発を中心に業態開発や店舗プロデュースを手掛ける。イナダシュンスケ名義で記事をグルメニュースに執筆することも。
和・洋・エスニック、ジャンルを問わず何にでも食いつく変態料理人として、またナチュラルボーン食いしん坊として、Twitterなどで情報を発信し、サイゼリヤに対する投稿などが度々話題になっている近著に『だいたい1ステップか2ステップ!なのに本格インドカレー』(柴田書店)、『おいしいもので できている』(リトルモア)がある。
鳥羽周作
1978年5月5日生まれ。サッカー選手、小学校教員を経て、32歳で料理の世界に飛び込んだ異色の経歴の持ち主。「DIRITTO」「Florilege」「Aria di Tacubo」などで研鑽を積み「Gris」のシェフに就任。2018年7月、オーナーシェフとして「sio」(代々木上原)を開店。2019年10月「o/sio」(丸の内)、2019年12月「パーラー大箸」(渋谷)を開店し、2021年春には関西にも進出予定。
小石原はるか
1972年生まれ。一度ハマると歯止めの利かないマニアックな気質と比較的丈夫な胃袋で、これまでにスターバックス、さぬきうどん、料理人、ホルモン、発酵食品などにどっぷりとハマってきた、人呼んで"偏愛系ライター"。
著書に『スターバックスマニアックス』、『さぬきうどん偏愛(マニアックス)』(ともに小学館文庫)、『麹の「生きた力」を引き出す本』(共著・青春スーパーブックス)『東京最高のレストラン』(共著・ぴあ刊)、『自分史上最多ごはん』(マガジンハウス)など。
からの記事と詳細 ( レストランがコロナ禍を生き残るために必要なことすべて【イナダシュンスケ×鳥羽周作×小石原はるか】 - メシ通 )
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