レストランでのカロリー表示義務化後に低カロリーメニューが増加
米国のレストランで食事をするなら、長年お気に入りのメニューではなく、最近新しく加わったメニューから選ぶ方が良いかもしれない。
それらのメニューの方が、平均で約25%低カロリーだからだ。
この事実は、米ハーバードT. H.チャン公衆衛生大学院のAnna Grummon氏らの研究で明らかになった。詳細は、「JAMA Network Open」に12月30日掲載された。
米国では2018年に、同国内に20カ所以上の店舗を持つレストランチェーンに対し、メニューの価格とともにカロリーの表示を義務付ける法改正が行われた。
この法改正後に、一部のレストラン利用者の摂取カロリーが4~6%程度減少した可能性を示唆するデータが報告されているが、業界全体でどのような変化が生じたかは明らかになっていなかった。
Grummon氏らが行った研究では、大手レストランチェーン59社が2012~2019年に提供した3万5,354種類のメニューのカロリーが分析された。
その結果、法改正以前からあり法改正後も提供されているメニューの含有カロリーの変化は-2.3kcal(95%信頼区間-11.5~6.3)、検討された全メニューでの変化は-2.0kcal(同-8.5~4.4)であり、いずれも有意な変化は見られなかった。
米国の栄養と食事のアカデミーの前会長で、食品栄養コンサルタントのConnie Diekman氏は、この研究結果に驚きを表すことなく、「レストランが人気メニューの味や内容を簡単に変えることはあり得ない。また、レストラン利用者が自分のお気に入りメニューのカロリーを知ったからといって、別のメニューに変えることも少ないのではないか」と語っている。
一方、法改正後に新たに加えられたメニューに限ると、法改正前のメニューよりも平均で-112.9kcal(同-208.6~-25.2)、比率にして約25%、低カロリーだった。
Grummon氏はこの変化を、「レストラン利用者に低カロリーメニューの選択肢を増やすものだ」と評価。
Diekman氏も、「レストランが常連客を、健康的な食事へと徐々に導いていると言える。レストランチェーンは新規の低カロリーメニューを利用者に押し付けようとせずに、少しずつ浸透させていこうとしているのだろう。その戦略はエキサイティングだ。レストラン業界は利用者とともに歩みを進め、業界としての責任を果たそうとしている」と述べている。
他方、Grummon氏は、レストラン利用者もカロリー情報をメニュー選択に役立てているのではないかと考えている。
「カロリー表示によって食品情報の透明性が高まり、以前は注文をためらっていた人が、新たなメニューを試す機会を増やすことにつながっている」とのことだ。
このように変化しつつある外食を、より健康的に楽しみたいのであれば、事前にオンラインで、低カロリーのメニューを確認することもできる。Diekman氏によると、「新メニュー」や「季節限定」などの表示があるものは、低カロリーである可能性が高いという。
一方で同氏は、「新たに加えられたメニューを試してみて、あまり気に入らなければ、以前からのお気に入りのメニューに戻っても良い。外食を頻繁にしないのであれば、メニューのカロリーを考えすぎる必要はなく、たまには高カロリーのものを食べても差し支えない」とアドバイスをする。
ただし、「もちろん毎日のように外食をするなら、それは問題だ」と付け加えている。(HealthDay News 2022年1月4日)
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(参考情報)
Abstract/Full Text
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2787598
構成/DIME編集部
からの記事と詳細 ( 米国のレストランでカロリー表示が義務化された2018年以降低カロリーメニューが増加、ハーバードTHチャン公衆衛生大学院報告| - @DIME )
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