一般社団法人AOH(横浜市)は5月14日、自然豊かな里山で和洋折衷料理を提供する古民家レストラン「久右衛門邸」を横浜市戸塚区名瀬町にオープンする。利益を障がい者の給与にすることによって、活躍の場の開拓を目指すという。
同社は、障がい者が働く福祉のチョコレート専門工房「はたらく支援工房ショコラボ」を2012年11月に開所(障がい者が働く大繁盛の「チョコ工房」設立した元銀行マンの決意を参照)。10年目を迎えた今年、障がい者の活躍の場のさらなる開拓を目指し、古民家レストランをオープンするに至ったという。チョコレート事業と同様に、利益は障がい者の給与にする。
「久右衛門」は天保7年(1836年)に建立した古民家の地主の家で、当主が代々継承してきたという。今回、障がいの有無に拘わらず、600坪強の庭園でゆったりと過ごせるよう、3年の期間を掛けバリアフリー工事・耐震補強工事などを施し、広大な里山と昔話に出てくるような情景の中で、おもてなしや癒しを感じる空間を作った。
5月から、古民家「久右衛門邸」は就労継続支援B型の福祉事業所として再生する。社会福祉施設として、障がい者がレストラン・納屋カフェ業務を中心に接遇作業・接客訓練を通し就労スキルを高め、人財育成や一般企業などへの就職を目指す。
同敷地内にはレストラン・納屋カフェのほか、セレクトショップも企画している。日本全国の福祉事業所から選りすぐった商品を販売し、才能あふれる障がい者の商品を販売・情報発信する場とするという。また、利用者に食事を堪能してもらいながら、自然な形でSDGsの価値を広めていける場所に育て上げたいとしている。
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久右衛門邸のある界隈は「名瀬の谷戸」として知られる
戸塚区名瀬には99個の谷戸「九十九谷戸(くじゅうくやと)」があったと言い伝えられ、久右衛門邸のある界隈は「名瀬の谷戸」として、「光る久保(ひかるくぼ)」といわれる程、今でも初夏には久右衛門邸界隈で源氏蛍や平家蛍が舞う場所だという。
また、春には筍(たけのこ)が採れ、ウグイスがさえずり、夏には蛍が舞う。秋には紅葉、冬には満天の星など自然があふれているため、地元の小学生など子どもたちの課外活動・自然体験学習の場となっているという。障害のある人とない人が共に学ぶインクルーシブ教育の場としての活用も期待している。
AOHの伊藤紀幸代表理事は以下のようにコメントした。
「この里山の地を、障がい者、高齢者、健常者が共生の場として再興し、SDGsの価値を、レストラン利用者が食事を堪能しながら、自然な形でもっと広めていけるような場所に育て上げたい。こういう場所が横浜市内にもあるのかということ、さらには日本中の古民家の再生のヒント、自然との調和、地域社会や障がい者との共生の在り方に一石を投じられればと考えている」
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